mixiユーザー(id:1806035)

2023年01月25日20:14

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ネット上の「ゲーム的政治運動」 女性支援団体への攻撃にみる危うさ

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https://digital.asahi.com/articles/ASR1N5HLNR1LUCVL00S.html?ptoken=01GQHVZ3DRV490P8XS4FXNVVRC

藤田直哉のネット方面見聞録

虐待や性被害などに遭った女性を支援する一般社団法人Colaboが、暇空茜(ひまそらあかね)というハンドルネームの人物によってネット上で攻撃を扇動されている。この事件は、現代日本における「ゲーム的政治」の大きな分水嶺(ぶんすいれい)になるかもしれない。

 暇空は、Colaboの東京都からの委託事業などについて、「補助金の不正受給、生活保護不正受給、未成年誘拐あたりは普通に問題」と、YouTubeなどで拡散した。それを信じた多くの人々が、ネット上で非難を繰り広げている。背景には、「萌(も)え」的なイラストが性差別や性搾取を助長するのではないかと問題提起してきたフェミニストたちと、それに反発する「“表現の自由”戦士」と呼ばれる人たちの対立がある。

 Colabo側は昨年11月、デマや誹謗(ひぼう)中傷を繰り返したとして損害賠償を求め暇空を提訴。一方、暇空による住民監査請求は昨年末、都監査委員によってほとんどの指摘が「妥当でない」と結論が出た。ただし、一部の精算には「不当な点がある」として都に再調査を勧告した。どちらの言い分が100%正しいとも言い切れないようだ。

 注目すべきは、暇空らのゲーム的な運動方法である。彼はゲーマーであり、ゲーム会社で働いていたと言っている。監査請求に至るネットの盛り上がりは不正を探すオンラインゲームを集団でプレイしているかのようであり、自身も「ラスボス」という表現を使っている。

 このような「巨悪の陰謀を暴く」集団的な政治的ゲームは、米国に先行例がある。2014年のゲーマーゲート事件である。ゲームの女性表現を巡る対立を土台として、匿名掲示板のユーザーが集団化し、デマ、陰謀論、フェミニストへの嫌がらせを繰り返した。これは、オルタナ右翼やQアノンの前身と言われる。

 筆者の目から見ると、暇空が行っていることはゲーマーゲート事件やQアノンとよく似ている。フェミニストや共産党などがつながっている「ナニカグループ」という巨悪についての暇空の主張は、いわゆる「ディープステート」陰謀論と同じ構図である。当人や周囲の人間が「敵」の組織図を勝手に作り、「推理」「考察」ゲームを繰り広げて「戦う」ところも同じである。

 世界の秘密を暴き、巨悪と戦い、国を守る「戦士」になるゲームはさぞ気持ちがよく、酔うだろう。自己肯定感、有能感や、スリルを与えてくれるだろう。だが、往々にして、酔っているときには、現実や事実を把握しそこなうものだ。

 筆者は歌舞伎町でバイトしていたので、貧困や虐待や障害などで苦境に陥る女性たちがいて、性搾取があること、精神疾患や自死に至る痛ましい事例も少なくないことを知っている。第一にその現実に目を向け、その上で、都の再調査や訴訟の経緯を見守るべきではないか。

 暇空に6千万円以上のカンパが集まり、少なからぬ知識人が主張に賛同しているこの現状。Qアノンの熱は連邦議会襲撃事件を引き起こした。日本で国会襲撃や都庁占拠などの光景は見たくない。いささか心配である。(文芸評論家)



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