■御嶽海が3度目の優勝、大関昇進へ 長野出身では江戸時代の雷電以来
(朝日新聞デジタル - 01月23日 17:45)
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大相撲一月場所千秋楽、昨日唯一の二敗となり賜杯レースで一歩先んじていた関脇御嶽海が結びの一番で横綱照ノ富士を寄り切りで制して13勝2敗とし、優勝決定戦に持ち込むことなく3度目の幕内優勝を決めました。
さて、千秋楽の結びの一番で対戦する横綱照ノ富士は、御嶽海から見ればこれまで通算4勝12敗、直近では7連敗中と合い口の良くない相手。立ち合い、御嶽海が左押っつけから飛び込んで両差しになり、揺さぶりながら前に出て、横綱は土俵際立ち腰となり寄り切り。本割で決めて勝負あり。横綱は膝の不調が響いたようで、あっさり決まった感じの大一番でしたね。
これで御嶽海は、「大関昇進への目安」とされてきた「直近三場所三役で33勝」をクリア(昨年九月場所9勝、十一月場所11勝、今場所13勝)、審判部長の伊勢ケ濱親方(第63代横綱旭富士)が大関昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長(第61代横綱北勝海)に要請したとのことで、八角理事長は、審判部からの理事会招集の要請を受けたこと、さらに理事会の招集も認めたようで、千秋楽後最初の水曜日である26日に行われる理事会と次の三月場所の番付編成会議を経て、「大関御嶽海」が正式に誕生する運びとなったとのこと。
それにしても、昨日までは大関昇進の是非について明言を避ける姿勢を示し、場所前には伊勢ケ濱審判部長が「全勝優勝なら昇進の機運が高まる」と、その可能性にはやや否定的なスタンスを見せていた審判部ですが、過去2回関脇で優勝しながら先が続かず「期待を裏切る」と評され続け、今場所が初の「三役として二場所連続二桁」である“「あの」御嶽海”であっても、今場所の集中力、そして連敗がなかった15日間の土俵、さらには、途中休場の貴景勝と6勝9敗に終わった正代が揃って角番を迎える今の二大関の現状を考えると、御嶽海と言う実力者を新たな大関とすることが、土俵をより華やかにするためには欠かせないと考えたのかもしれません。八角理事長は「来場所は当然、もっとプレッシャーが厳しくなる、気楽な立場ではなくなり打ち勝ってほしい」と期待した一方、御嶽海の課題について「この人は集中力。ちょっと崩れるとガタガタとなる」と指摘。「今場所はそれがなく成長したところ」と、精神面の充実がはかられたことがその進化となったと分析していましたが、それまでの御嶽海が“「あの」御嶽海”なだけに、大関としての土俵にどこまで大きな期待を寄せて良いか、判断が難しいかもしれませんね。
優勝インタビューには、今場所の15日間について「長かったです。勝っているときはいつも15日間短いなと思うけど、今場所すごく長く感じて、精神的に持つかなと思いました」とした一方、「後半の方がいい相撲取ったのかなと思います」と落ち着いた口調でコメント。さらに、場所後の臨時理事会の招集決定について問われた際にはしばしの沈黙から涙を浮かべ、「なかなか…そういう、経験できることじゃないので、素直にうれしいです」とし、「大関候補と言われて長かったのでは」との問いかけには「長かったです」と素直に答え、新大関として大変な注目を集める来場所については「皆さん、注目して見て下さい」と力強く答えていました。貴景勝、朝乃山(出場停止中で今場所は東十両4枚目)、正代に先を越され、やっと昇進の御嶽海ですが、今場所のような“モデルチェンジバージョン”の御嶽海か、いつか見たような“あの御嶽海”か、注目したいと思います。
さて、今場所の三賞は殊勲賞に横綱照ノ富士から金星の阿炎、敢闘賞には琴ノ若、技能賞に御嶽海と、千秋楽まで賜杯レースに残った3人が受賞しましたが、千秋楽の白星で11番に乗せた豊昇龍や石浦が選ばれなかった上、「今日勝てば」、「優勝すれば」と言った条件も付かなかったなど、些かあっさりした印象が残った気がします。
その他。三敗で優勝決定戦に進む可能性を残していた同士の西前頭6枚目の阿炎と東前頭14枚目の琴ノ若との対戦は、阿炎が琴ノ若を引き落としで制して12勝3敗で優勝次点。優勝決定戦となった十両の優勝は11勝4敗で並んだ西2枚目の琴勝峰が西14枚目の矢後との優勝決定戦を寄り切りで制して優勝。三段目は西81枚目の向中野が東19枚目の長内を寄り切りに仕留めて優勝。鳥取西中で中学横綱となり、鳥取城北高でも2年時に個人で全国準優勝、国体では団体優勝を飾った一方、3年時にコロナ禍で多くの大会が中止となったことで「目標がすべてなくなって悔しい思いをした。今、相撲をとれていることに感謝している」とコメントしたとのこと。そうした苦難を乗り越え、昨年の五月場所で初土俵を踏んだ19歳が優勝を決めました。また、新入幕で注目された東前頭18枚目の王鵬(第48代横綱大鵬の孫、元関脇貴闘力の三男)は7勝7敗同士だった佐田の海の寄り倒しに屈し、十一日目から5連敗を喫して7勝3敗からの負け越しに終わりました。
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