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2021年06月24日18:53

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量子コンピュータを制する国が次のハイテク覇権を握る

量子覇権、せめぎ合う米中 Googleは29年に「汎用品」
2021年6月24日 5:00

次世代の高速計算機、量子コンピューターの開発競争が熱を帯びてきた。2029年までの「完成一番乗り」へと突き進むグーグルなど米国企業を中国勢が猛追。海外新興や富士通など日本の企業も独自技術で存在感を高めている。量子技術を用いた計算は新薬開発や暗号解読などで既存のコンピューターの限界を打ち破る。産業界や国の安全保障戦略に与える影響は大きい。

「とても挑戦的な試みだ」。5月にグーグルが開いた開発者会議でスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は進行中の量子コンピューターの開発計画を披露した。29年の「完成」が目標だ。

同社は19年、最先端のスーパーコンピューターが1万年かかる問題を量子コンピューターで3分20秒で解き「量子超越」と呼ぶブレークスルーを果たした。ただこのときに用いたのは乱数を生成する特殊な問題で、実用性には乏しかった。

めざすのは既存のコンピューターには手の届かないさまざまな難題を解く「汎用品としての量子コンピューター」の実現だ。気候変動問題の解決に道を開く素材や、感染症のパンデミック(世界的大流行)を阻止する薬の開発に革新を起こすことを狙う。

従来、量子コンピューターが完成の域に達するのは20年後とされてきた。グーグルは10年以内を想定する。必要な投資額は数十億�法平�千億円)規模にのぼる見通しだ。

デジタル回路を用いる既存のコンピューターが0か1の「ビット」を単位に計算するのに対し、量子コンピューターは0にも1にもなる「量子ビット」を使う。膨大なデータをまとめて扱い、少ない計算で答えを導く。スパコンで何億年もかかる問題を数分で解くといった破壊力を秘める。

想定する難題を解くには現在の「100未満」の量子ビット数では不十分だ。グーグルはこれを「100万」へと桁違いに増やす。計算時のエラーという最大の難題も克服する。

量子ビットを増やすと配線や制御が難しくなる。現在のコンピューターがトランジスタの登場によって飛躍的な進歩を遂げたように「大規模化」への技術革新がいる。

高いハードルに対し、グーグルは米カリフォルニア州サンタバーバラに新たな研究拠点を設け開発体制を強化する。

米IBMも開発を加速する。量子ビットの数を現在の65から23年には1000超に増やす方針だ。グーグルに負けじとエラーへの対応も急ぐ。

量子コンピューターを製造できるプレーヤーは世界でも一握りで、米国が圧倒的な存在感を誇る。グーグルやIBMは電気抵抗ゼロの超電導回路で計算する技術で開発を先導してきたが、その座を中国が脅かし始めた。

中国科学技術大学は5月、超電導の量子コンピューター「祖沖之号」を開発したと発表した。まだ試作レベルだが量子ビット数は62にのぼり世界トップ級だ。中国で「量子の父」と呼ばれる潘建偉氏らによる成果で、世界的権威をもつ米科学誌サイエンスに論文が掲載された。

同大は超電導方式に加え、20年には光を使う方式でグーグルに次ぐ量子超越も達成した。中国が急速に力を高めていることをうかがわせる。

大手企業ではアリババ集団が量子コンピューターを開発する。15年に中国科学院と「量子計算実験室」を設立。18年にはクラウドで利用できるサービスを始め、展開を広げているもようだ。

量子コンピューターが画期的な電池や薬を生むようになれば、企業の競争環境は一変する。究極的に進化すると現在のインターネット通信を支える暗号を解けるようになり安全保障にもかかわる。量子を制する国は次のハイテク覇権を握る。

新興勢力の台頭も目立つ。代表例がソフトバンク・ビジョン・ファンドも出資する米イオンQだ。電気を帯びた原子(イオン)で量子ビットをつくる「イオントラップ」と呼ぶ方式の技術を手掛ける。

イオン方式は安定性の高さなどに優れ、量子コンピューター関連事業を展開するblueqat(ブルーキャット、東京・文京)の湊雄一郎CEOは「急速に技術が進歩し、世界で関心が高まっている」と指摘する。

ボストン・コンサルティング・グループによると、量子コンピューターは50年には最大8500億ドル(約93兆円)の利益を創出する可能性を秘める。ハードウエアが未完でも数年内に一部で産業応用が可能になると期待され、早期導入をめざす企業の競争も活発だ。

日本勢「疑似計算機」で存在感 富士通や日立
米グーグルなどは「量子ゲート」と呼ぶタイプの量子コンピューターの開発を進める。日本でも富士通が2020年に同方式の開発に参入した。汎用的な計算に使えるが開発難易度は高い。

早期の利用が見込まれる「量子アニーリング」と呼ぶ方式もある。東京工業大学の西森秀稔特任教授らの研究をもとに生まれた技術で、特に日本での期待が大きい。カナダのDウエーブ・システムズが開発し市場開拓を進め、NECも研究に取り組む。膨大な選択肢の中から最適解を高速で探るのが特徴で、特化型の量子コンピューターとも表現される。

量子アニーリング方式と競うのが富士通や日立製作所、東芝が力を入れる「疑似量子計算機」だ。組み合わせの最適解を効率よく見つける点では共通するが、ハードウエアに既存のコンピューターの技術を用いる点で異なる。量子アニーリングの発想などを取り入れているため「疑似」ということばが使われる。

特化型とはいえ応用範囲は物流、医療、金融など広い。製薬企業のペプチドリームは新型コロナウイルスの治療薬開発に富士通の疑似量子計算機を活用する。膨大な数の化合物から薬の候補を絞り込み、研究者が実験を繰り返して約半年かかる探索の作業を半日程度に短縮できるという。

KDDI総合研究所は基地局や周波数帯の膨大な組み合わせから携帯各社に素早く電波を割り当てる計算を日立の技術を使って実施した。時間を従来手法の2000分の1に短縮できた。東芝は株式市場の超高速取引(HFT)に利用するための検証に乗り出した。

(AI量子エディター 生川暁、下野裕太、大越優樹)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC09C660Z00C21A6000000/
日米中が脚光を浴びていますが、欧州も追いかけて来てるはずです。
国が国家プロジェクトを立ち上げて、日本企業を援助しないと、振り落とされて、5Gみたいに取り残されます^^;
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