米政権移行、波乱含み トランプ氏が駆け込み外交強行
2020年12月15日 21:19 (2020年12月16日 5:22更新)
米大統領選の結果の事実上の確定を受け、バイデン次期大統領は2021年1月の政権移行に向けた作業を加速させる。新型コロナウイルス対策や経済再生など山積する課題への迅速な対応が問われる。ただ退任が迫るトランプ大統領はバイデン氏の政権運営の選択肢を狭めかねない政策を駆け込みで連発する。米国の政権移行は波乱含みの様相を強めている。
「パンデミック(世界的大流行)を制御し、より良き経済をつくる」。バイデン氏は14日夜の演説でこう力説した。最優先課題となる新型コロナ対策は同日から全米でワクチン接種が始まった。就任100日で少なくとも1億回の接種を実現する方針だ。円滑な供給体制の整備が課題となる。
1月の就任後、円滑な新政権のスタートをめざすバイデン氏にとって足かせとなるのが、退任が間近に迫っているにもかかわらず持論の政策を発動し続けることをやめないトランプ氏の異例ともいえる動きだ。
例えばトランプ氏は大統領選後、懸案として残っていた対中強硬措置を次々と実行に移してきた。バイデン氏は大統領権限で就任後すぐにトランプ氏の政策を見直すことが可能だが、中国に「弱腰」との批判を浴びるリスクと隣り合わせだ。
「新政権発足前の移行期間にひっくり返しにくい対中措置が次々と実行され、(バイデン氏の)手法が限られることになる」。ワシントンの法律事務所コビントン・バーリングはこう指摘する。
トランプ氏は11月、中国人民解放軍と関係が深い中国企業に対し、米国投資家による株式購入を禁止する大統領令に署名した。バイデン政権発足の直前に発効する。12月には中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)も禁止対象企業に加えた。
バイデン氏も中国に厳しい姿勢を示すが、アプローチは中国を脅威とみなしてあらゆる制裁を用いて抑え込もうとしたトランプ氏とは異なる。同盟国と足並みをそろえて自国の産業力を強化し、中国との競争に打ち勝つ方法を探る。トランプ氏が課してきた対中関税や輸出規制に、駆け込みで制裁が加わり、バイデン氏の自由裁量は狭まる。
経済政策は見直しにコストもかかる。対中のハイテク規制や投資規制を巡り、米国の半導体企業や投資家は既に調達先や投資先を変えるなど対応を取っている。バイデン氏は企業への負担を十分に考慮しながら、トランプ氏の遺産への対応を決めなければいけない。
中東政策も同様だ。トランプ氏は現地の治安状況を踏まえず、アフガニスタンとイラクの駐留米軍の規模を21年1月15日までにそれぞれ削減すると決めた。アフガンは約4500人から2500人、イラクは約3000人から2500人に減らす。
海外駐留米軍の削減はトランプ氏の公約で、バイデン氏も基本的には方向性は同じだ。今回の決定が問題をはらむのはアフガンの治安状況が改善にほど遠く、多くの専門家から今の時点での削減を問題視する声が出ていることだ。拙速な削減で治安の悪化を招けばバイデン氏は大統領として逆に増派の判断を迫られる可能性もある。民主党内から批判を浴びて政権運営に支障を来す恐れがある。
トランプ政権は14日に北大西洋条約機構(NATO)加盟国で同盟関係にあるトルコへの異例の制裁実施を決めた。トルコがロシア製ミサイルの導入を決めたのが理由だ。バイデン氏はトランプ政権下で不協和音が目立ったNATOの立て直しをめざすが、ここでもハードルが高まった。
駐留米軍の削減などには政権のレガシー(政治的功績)を残したいトランプ氏の思惑が透ける。民主党のクリントン元大統領もレガシーを意識し、2000年12月の退任直前に北朝鮮への電撃訪問を探った。しかし後任が共和党のブッシュ元大統領(第43代)に決まると見送った。後任の政策を縛らないよう配慮してきた過去の大統領たちの伝統が変質をみせている。
(ワシントン=永沢毅、鳳山太成)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN155BV0V11C20A2000000
>後任の政策を縛らないよう配慮してきた過去の大統領たちの伝統が変質をみせている。
伝統が変質している事を非難したい様ですが、来年の1月まで政治的空白を作れば、確実に習近平は台湾を侵略していたでしょう。
環境規制を強化したくても、企業がコスト高になる政策に賛同しません。
支持基盤が小さい売電やハリス次期副大統領(予定)がいきなり手を付けられる案件じゃ無いです^^;
売電に出来る事は、存在感を増しているトルコと交渉して、NATO軍との関係を修復するぐらいですw
ログインしてコメントを確認・投稿する