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「 あなたの言葉だから届くのです 」
それは
非常持ち出し袋をあけることではありませんでした
飲み水の心配でもありませんでした
食料の心配でもありません
今 粉々になり流された家の心配でも
今後の生活のことでもありませんでした
貴重品の心配でもありません
「 家族が生きているかどうか 」
「 避難してくれただろうか 」
「 無事でいてくれるだろうか 」
「 どこにその身を置いているのだろうか 」
自分の身の安全すら確保されていないのに
大切な人の身を祈るように案じ
大津波を目にしたときになって初めて
自分が命の瀬戸際ギリギリのところに
立たされていることを知りました
被災して 命を喪う恐ろしさを体験し
私の世界観・人生観は変わりました
人間の作った常識が
自然の中では意味を持たないことを知りました
何が大切か 何を喪ってはいけないか
そのことが痛いほど分かりました
「 形 」ではなく
「 心 」がないと守れないことを知りました
以前と同じには生きられないことを知りました
いつか 生まれる前の状態に帰るなら
もしそれが 「 無 」という状態なら
命ある今は
どれだけ かけがえのないものか
そのかけがえのない時間を
災害や事故で喪ってしまうのは
そして
一緒に生きたいと願う人と過ごせなくなるのは
どれだけ虚しく切ないことか
もうすぐ3月11日といわれる季節ですが
私は あの日からずっと
胸の中に3月11日が住み着いて離れないのです
3月11日に お心を寄せてくださる前に
どうか ご自分の大切な人と
命を守る相談をしてください
大切な人と生きたいという想い
その想いを頭の中にしまい込まずに
大切な人に伝えてください
あなたの言葉だから
大切な人の心に届くのです
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#語り部佐藤麻紀
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