(社説余滴)柳宗悦の思いを継ぐ 中野晃
民芸の思想家、柳宗悦(やなぎむねよし)に尋ねてみたい。100年後の状況をどう評しますか。
1920年、柳は「朝鮮の友に贈る書」を雑誌『改造』に発表する。前年、日本が支配する植民地朝鮮で武断統治に抗議する「三・一独立運動」が広がった。
「私にさえ誠心があるならば、それは吾々(われわれ)の距離を近づけるにちがいない。もし近づき得ないなら、それは貴方(あなた)がたの罪ではなく、なおも私の誠心が足りないからだ」。朝鮮を「奴隷」にし、同化政策をとる日本の姿勢を問うた。
柳は20回余り朝鮮を旅した。浅川伯教(あさかわのりたか)・巧(たくみ)兄弟とともに、白磁をはじめ民衆の暮らしに根ざした工芸の魅力を広め、旧王宮に「朝鮮民族美術館」を開設するなど文化の保護に尽力した。
今、隣国を見下し、支配の歴史に背を向けんとする言説があふれかえるのを見て、柳はどう思うか。
一方、重い過去をつなごうと模索する人々もいる。
京都市の大学院生、野々村ゆかりさん(57)は、日本支配下の朝鮮半島北部で生まれ育った実母(83)からの聞き取りを続ける。
曽祖父、祖父とも朝鮮総督府所属官署で要職を務めた。「日本の侵略に関わっていたと思うと複雑な気持ち」と振り返る母。日本人のみの鉄道局官舎で暮らし、幹部の娘だった母は戦争中も白米やカステラを口にしていた。朝鮮人の子どもとの交流は記憶にない。
裕福な生活は45年夏の日本の敗戦で一変。翌春、北緯38度線を越える逃避行の末、日本に引き揚げた。
その後、祖父は朝鮮での出来事に口を閉ざし、復職も拒んだ。ただ、敗戦前の満州(中国東北部)への出張に触れ、「あの時書類を焼かなければ、自分も含めて大勢の人が戦犯になっていた」と漏らしたという。
祖父や母が体験したことに迫りたいと、野々村さんは、朝鮮からの引き揚げ者も加わる「京都戦争体験を語り継ぐ会」に参加。この夏も戦争や植民地の実相を若い世代に伝えるイベントを開く準備を進めている。
8月は「韓国併合」から110年、日本の敗戦による朝鮮解放から75年になる。歴史と向き合い、継承する取り組みがある限り、柳が望んだ「朝鮮と日本との間に心からの友情が交される時」は来ると信じたい。(なかのあきら 社会社説担当)
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上記は、今朝の朝日新聞に掲載された、中野晃氏による「(社説余滴)柳宗悦の思いを継ぐ」の全文である。
柳宗悦に関しては、『美の法門』『南無阿弥陀仏』『妙好人論集』『茶道論集』等の、仏教哲学、あるいは仏教美学に関心を持っている。その柳宗悦は、民芸の思想家として、琉球の美や朝鮮の美に関しても造詣が深いと言われる。
琉球にしても、朝鮮にしても、かつて日本が侵略し植民地支配をしていた地域であり、沖縄(琉球)に関しては、今も米軍基地問題で植民地支配を続けている。
�爍隠坑横闇�、柳は「朝鮮の友に贈る書」を雑誌『改造』に発表する。前年、日本が支配する植民地朝鮮で武断統治に抗議する「三・一独立運動」が広がった。/ 「私にさえ誠心があるならば、それは吾々(われわれ)の距離を近づけるにちがいない。もし近づき得ないなら、それは貴方(あなた)がたの罪ではなく、なおも私の誠心が足りないからだ」。朝鮮を「奴隷」にし、同化政策をとる日本の姿勢を問うた。��
現代日本においても、在日韓国朝鮮人に対するヘイトスピーチは頻発しており、関東大震災直後に起こして�狡�鮮人狩り�瓩半里気譴芯�鮮人に対する虐殺事件の否定や韓国併合に対する正当性の公言が相次いでいる。戦前の日本が隣国朝鮮韓国に対して行った行為を反省するどころがむしろ正当化しようとする歴史修正主義がはびこっている。その際たるものが日本国内にある朝鮮学校に対する教育費無料化の対象除外は日本国のヘイトクライム体質をあらわしている。
�犁�都市の大学院生、野々村ゆかりさん(57)は、日本支配下の朝鮮半島北部で生まれ育った実母(83)からの聞き取りを続ける。/ 曽祖父、祖父とも朝鮮総督府所属官署で要職を務めた。「日本の侵略に関わっていたと思うと複雑な気持ち」と振り返る母。日本人のみの鉄道局官舎で暮らし、幹部の娘だった母は戦争中も白米やカステラを口にしていた。朝鮮人の子どもとの交流は記憶にない。/ 裕福な生活は45年夏の日本の敗戦で一変。翌春、北緯38度線を越える逃避行の末、日本に引き揚げた。/ その後、祖父は朝鮮での出来事に口を閉ざし、復職も拒んだ。ただ、敗戦前の満州(中国東北部)への出張に触れ、「あの時書類を焼かなければ、自分も含めて大勢の人が戦犯になっていた」と漏らしたという。��
現代日本で問題となっている自分たちに都合が悪い公文書はすべて破棄しても構わないという事柄は、すでに敗戦直後から行われていたことのようで、日本人は自分たちに都合が悪い過去はなかったことにするという体質は今も昔も変わりない。
�爍厳遒蓮峇攅駟珊隋廚�ら110年、日本の敗戦による朝鮮解放から75年になる。歴史と向き合い、継承する取り組みがある限り、柳が望んだ「朝鮮と日本との間に心からの友情が交される時」は来ると信じたい。��
安倍晋三は韓国に対して�犢餾殍,鮗蕕讚瓩箸いΔ�、では安倍晋三は日本が韓国に行なってきた過去をどのように考えているのだろうか。隣国ゆえに誤った悪行を行ってきたのは、韓国ではなく、日本なのだ。その自覚はどれだけ安倍晋三にあるのだろうか。
わたしは、沖縄(琉球)に対して行った武力による侵略行為の成功体験がその後の台湾、朝鮮、そして満州と日本の武力による侵略行為と植民地支配につながっていったと考えている。それが日本の近代史の本質だとも考えている。
そのなかで柳宗悦という思想家は、そのような日本の侵略行為に疑問を呈し続けた一人だと考える。わたしは柳宗悦を通じてもう一度沖縄(琉球)、朝鮮を考えてみたいと考えている。
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