1914年6月、サラエボでの暗殺事件が起きた時には、それが世界を巻き込む大戦につながるとは誰も予想しなかった。多くの国家指導者が戦争を避けたいと考え、たとえ衝突が起きても短期間で終わると信じていた▼第1次世界大戦を詳細に記録した『八月の砲声』(バーバラ・タックマン著)は、中心人物の一人だったドイツ皇帝をこう描く。「国際的、開放的でかつ気の小さかったカイゼル(皇帝)は、けっして全面戦争を望んではいなかった」▼皇帝は、ドイツが国際政治の舞台でいっそう大きな権力を振るうことを求めていた。しかし彼はそれを「戦争にはよらずに威嚇してかち得たいと願った」。指導者たちの誤算と過信の末に起きた戦争は教訓に満ちている▼いま思い起こすのも決して大げさではない。そう感じるのは、イランとにらみあうトランプ政権が誤算を重ねているように見えるからだ。核合意を投げ出し、制裁を加えて威嚇したが、イランは屈服するどころか敵対姿勢を強めた▼そこに今回の司令官殺害である。イランの指導者と民衆からの猛反発を一体どこまで計算していたのだろうか。「戦争を始めるためでなく、止めるための行動だ」とのトランプ大統領の発言は、言い訳にしか聞こえない▼『八月の砲声』は62年のキューバ危機のさなか、ケネディ米大統領が参照した書でもある。ソ連との戦争を回避すべく努め、第3次世界大戦の芽をつんだ。戦争の種をまいた愚かさを打ち消すための行動がいる。
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上記は、今月6日の朝日新聞の(天声人語)「誤算と戦争」の全文である。
今年になって、アメリカとイランとの緊張が高まっている。とくにアメリカの大統領・トランプは何を考えているのか、世よくわからない人物である。いや、トランプ自身も自分のことがよくわかっていないのではないだろうか。その時の気分で何でもかんでもやってしまう。
�爍隠坑隠看�6月、サラエボでの暗殺事件が起きた時には、それが世界を巻き込む大戦につながるとは誰も予想しなかった。多くの国家指導者が戦争を避けたいと考え、たとえ衝突が起きても短期間で終わると信じていた▼第1次世界大戦を詳細に記録した『八月の砲声』(バーバラ・タックマン著)は、中心人物の一人だったドイツ皇帝をこう描く。「国際的、開放的でかつ気の小さかったカイゼル(皇帝)は、けっして全面戦争を望んではいなかった」▼皇帝は、ドイツが国際政治の舞台でいっそう大きな権力を振るうことを求めていた。しかし彼はそれを「戦争にはよらずに威嚇してかち得たいと願った」。指導者たちの誤算と過信の末に起きた戦争は教訓に満ちている��
このことは決して過去の出来事ではない。今日の中東における緊張状態から第三次世界大戦勃発というショッキングな話がまことしやかに流れている。今はほんの些細な誤算や過信から第三次世界大戦へと世界が転がり落ちていく危険性は大いにある。
トランプはアメリカの軍事力を�狎こ�最強�瓩世噺世辰討い襪�、戦争においてアメリカが勝利したのは、第二次世界大戦における日本との戦い以降はない。トランプはそのような過去を忘れて、アメリカの軍事力が�狎こ�最強�瓩世伐畤�しているように思われる。その�牴畤��瓩海修�世界を�狎鐐茘瓩箸い�人間の愚かな行いへと転がり落ちさせるのである。
�爐い淹廚さ�こすのも決して大げさではない。そう感じるのは、イランとにらみあうトランプ政権が誤算を重ねているように見えるからだ。核合意を投げ出し、制裁を加えて威嚇したが、イランは屈服するどころか敵対姿勢を強めた▼そこに今回の司令官殺害である。イランの指導者と民衆からの猛反発を一体どこまで計算していたのだろうか。「戦争を始めるためでなく、止めるための行動だ」とのトランプ大統領の発言は、言い訳にしか聞こえない▼『八月の砲声』は62年のキューバ危機のさなか、ケネディ米大統領が参照した書でもある。ソ連との戦争を回避すべく努め、第3次世界大戦の芽をつんだ。戦争の種をまいた愚かさを打ち消すための行動がいる。��
トランプは戦争は好まないという。しかし戦時下における大統領選挙では現職が圧倒的に有利となるということも事実である。トランプが大統領選挙に勝つために、中東で戦争を起こそうとしたら。わたしはそのことが一番怖いのである。
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