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2019年09月17日11:46

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“DL-103” で温故知新の日々

ん〜。
ん〜〜〜。
全く「お題」のとおりだよ。
50を過ぎてこの歳になった今でも、勉強させられる思いの日々である。
AD に刻まれた音を拾う Pick Up Cartridge の話なのだが、それは知れば知る程に奥深く、そして果てしなく広い世界…。
若い頃はもう High Compliance こそ Pick Up Cartridge の命 !! 
…と思っていた。
いや、勝手にそう思い込んでいた、のが正解なのかもしれない。
その High Compliance とは「動きやすい」を意味する。
俗に言う「レコード針」の部分を構成する Cantilever がどのくらい「動きやすいの?」かで、AD から再生される音に驚く程の影響を与えるのは周知のとおりである。
その AD の溝に刻まれた音の元となるギザギザに対し、Cantilever の動き(反応)が…
 速い:High Compliance
 遅い:Low Compliance 
…というどちらかに、各々の Pick Up Cartridge は振り分けられて来た。
更には…
 High Compliance:軽い針圧
 Low Compliance:重い針圧 
…に分かれる。
もちろん、その中間的な存在(Middle ってぇ〜奴?)も有ったけれど、後に流行った High Compliance な製品に圧倒されてしまって事実上の絶滅に追いやられた、かのように思える。
私はとにかく、純粋に「Hi-Fi で Real な音」を自分なりに追求して来た。
それが身分相応の「B級 Audio たち」であろうとも、である。
KENWOOD 製の “KP-1100” という AD Player を選んだ理由のひとつも、その High Compliance な Pick Up Cartridge の性能を可能な限り引き出す為だったのだ。
それはもう、これまで色々な Pick Up Cartridge を試して来たよ。
ただ残念なのは「身分相応」が故に、高価格(な高級品?)の Cartridge は試せなかったのだけれど…。
そう! 
どんなものでも「高価格」とあらば、それに見合った対費用効果、つまりは C.P.(Cost Performance)が少々悪くあろうとも「高価格」なりの Grade Up を期待してしまうものである。
更にはそれが High C.P. とあらばもう「言うこと無し」だったわさ。
この私が若かった頃、その Pick Up Cartridge で最も売れ筋だったのは定価が ¥25,000 前後の製品だった。
そのどれもが魅力的な High C.P. たちで、そのどれが自分好みの音を聴かせてくれるのかを見極める(いや、聴き分ける)のも面白かった。
でだ…? 
当時は ¥19,000 で購入できた DENON 製の “DL-103” という Pick Up Cartridge を、私は最初から「馬鹿にしていた」のだ。
先ずはその価格。
当時の ¥20,000 未満は「入門者」向けの価格帯だった。
天下の NHK で御用達の “DL-103” が発表されたのは ’64年(昭和39年)のこと。
この私が生まれるちょいと前から存在していた…
 古い設計と構造
 重くてデカい本体
 典型的な Low Compliance 
…な Pick Up Cartridge に興味を持つ筈も無かったのだよ。
ところが…? 
CD の登場でこの分野は一気に衰退…。
21世紀の今は、その Pick Up Cartridge を安定供給してくれる Maker も一握りになってしまった。
更には…? 
もうあれだけ High Compliance に拘っていたこの私の嗜好に変化も生じたのだ。
選択肢が狭まれてしまった! 
…も有るのだけれど、あれだけ「馬鹿にしていた」筈の DENON 製 “DL-103” を、ひょんな切っ掛けで試すことになったのだ。
“DL-103” ねぇ〜、と馬鹿にしながら AD に針を降ろした。
すると、どうだ…? 
おぉ !? 
おぉ〜〜〜! 
このどっしりと腰も据わった安定感、何でも「そこそこに…」という良い意味での All Rounder ぶりに驚く。
High Speed 感、圧倒的なキレ味、猛烈に鮮明な音像、横はもちろん縦も奥行きも広大な音場、は期待できない。
けれども、上述の「どっしりと腰も据わった安定感」は特に低域再生でものを言う。
Contrabass や 低音系打楽器の音を「えっ…?」と驚かされるくらい Real に聴かせてくれることも多々だったりして…。
しかも…? 
High Compliance でその針圧はたったの 1g だった今までの Pick Up Cartridge と比べてしまうと…? 
2.5g という倍以上に重い針圧を必要とする “DL-103” は「静か」だった。
1g の針圧ではあの「パチパチ…」音の Scratch Noise が気になって仕方がなかった AD も、2.5g という重い針圧だと「あらま…?」なくらいに静かになってしまったではないか…? 
つまりは、たったこれだけで Dynamic Range が大幅に向上した格好だ。
それは ortofon 製の “SPU” を試して実感した時と同じ! 
その “SPU” も、若い頃は散々に「馬鹿にしていた」私だったよ…。
あぁ〜。
この私もいよいよ「歳をとってしまった」のであろうか…? 
それとも、漸くにして私の耳は「やっと大人の耳になった」のであろうか…? 
その思いは複雑なのだが、今の時点で「うん、これはイイ!」には素直でいたい私である。
そんなこんなもあって、お蔵入りしいていた “DL-103 LC�供� を引っ張り出したらば…? 
いやはや、今はこれが Main となってしまったではないか。
’86年(昭和61年)製という古い “DL-103 LC�供� が、今、我が家でバリバリの現役になってしまったのだから不思議だ。
そして、新たにもうひとつを注文してしまったよ。
その “DL-103 LC�供� を21世紀の今も継承する Model の “DL-103R” を、最安値と思われる Web Shop へ注文したのだ。
注文したまではイイものの…
 うわっ… !? 
 やっちまったい! 
…で、もう悔やんだよ。
その DENON さん、今年の6月から AD 関連製品を一斉値上げしちゃったのだ。
あぁ〜、値上げ前に買っておけば良かったのに…。
驚いたよ。
気が付けば、DENON の “DL-103” Series は凄い価格になっていたではないか…? 
驚いたついでにというのも変な話なのだが、そんな “DL-103” Series と、その価格の推移を振り返ってみようと思う。
 

フォト

元祖の “DL-103” は NHK の FM 放送開始に合わせて設計された「放送局仕様」だったのは有名な話。
DENON で初の MC(Moving Coil)型の Pick Up Cartridge でもある。
その昔から、MM(Moving Magnet)と比べると MC の方が「音が良い」と言われてきた。
確かに MM よりも音が良い MC なのだが、その MM と比べると…
 1. 出力(発電)電圧が桁違いで低い
 2. User 側で「針交換」が出来ない 
…という欠点もあった。
1. については MC 専用の Head Amp. や昇圧 Trance が必要で、これが MC の音質に大きな影響を与える。
2. については Maker へ修理依頼という格好で「針交換」するしかない。
…だったのだが、現在の DENON は「針交換価格」で新品との交換購入となっている。
前述のとおりで “DL-103” が発表されたのは ’64年(昭和39年)のこと。
それが一般販売されたのは ’70年(昭和45年)からだった。
発売当初から現在までの価格は…
 ¥16,000(’70年頃)
 ¥19,000(’78年頃)
 ¥35,000(税別, ’15年頃)
 ¥41,600(税別, ’19年06月21日から) 
…と推移している。
私が若かった頃は「入門者向けの安い価格帯」と馬鹿にしていた “DL-103” が、今や ¥41,600 もするのだから驚いた。
21世紀の今は「カブトガニ」のような存在の “DL-103” だが、これを Base にこれまで様々な特別仕様が数量限定で販売されて来た。
 

フォト

そんな特別仕様の限定品だったひとつが、これっ! 
’85年(昭和60年)に「日本コロンビア創立75周年記念」で発売された “DL-103LC” だ。
Coil には LC-OFC(線形結晶化の無酸素銅線)という贅沢素材を使用。
Cantilever は二重構造に加え Alumite 硬化処理によって軽量かつ堅牢になった。
Cantilever の根本の Yoke は金メッキ仕様。
Body も黒系の Metallic 塗装仕上げである。
基本構造は元祖 “DL-103” のまんま。
…の筈なのに、その仕様は大きく異なる部分もあった。
左が “DL-103” で右を “DL-103LC” とすると…
 出力電圧:0.30mV → 0.25mV
 Impedance:40Ω → 13Ω 
…の2点が大きく異なり、その音も全く違った。
基本的には “DL-103” の音なのだが、それを更に「磨きを掛けた」ような透明感や繊細感、そして力強さも加わったのだ。
高い評価で DENON が用意した数量はあっと言う間に完売してしまう。
’85年当時の価格は ¥20,000 だった。
 

フォト

“DL-103LC” が完売後も、熱烈な音楽愛好家や Audio Mania からの販売継続の声が絶えなかった、…らしい。
そこで翌年の ’86年(昭和61年)に “DL-103LC�供� として復活したのだ。
私が所有していたのは、これっ! 
’86年当時の価格は ¥21,000 だったよ。
その当時は “DL-103LC” から ¥1,000 Up で「この野郎ぉ〜!」と思ったけれど…? 
今になって思えば、その ¥1,000 Up でも「超格安」のお値打ち品! …だったよなぁ〜と思う昨今である。
 

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そして、前述の “DL-103LC�供� をほぼ継承する現役 Model が、この “DL-103R” である。
いや、正確には ’91年の限定品 “DL-103C1” をほぼ継承している、と言うべきだろうか? 
これが登場したのは ’94年(平成6年)で、21世紀の今でも製造・販売している “DL-103” の高級版だ。
Coil には 6N(純度が 99.9999% 以上)の高純度銅線という贅沢素材を使用。
‘94年当時の価格は ¥28,000(税別)だったので凄く安いと感じたのも懐かしい。
そう、何故に「安い」かと言えば、“DL-103LC” 以降の特別仕様な限定品は…
 “DL-103SL” ¥30,000(税別, ’89年)
 “DL-103GL” ¥50,000(税別, ’90年)
 “DL-103C1” ¥32,000(税別, ’91年)
 “DL-103FL” ¥40,000(税別, ’93年) 
…といったお値段だったので、“DL-103R” の ¥28,000 はやっぱり「安いじゃん」なのである。
ところが…? 
発売当初は「安いじゃん」だったその価格は…
 ¥28,000(税別, ’94年09月発売)
 ¥42,000(税別, ‘15年頃)
 ¥50,000(税別, ’19年06月21日から) 
…と推移し、今年は ¥8,000 も値上げされてしまったのだ。
あぁ〜、今年の値上げ前に買っておけば良かったのに…。
あぁ〜、とにかく悔やまれる。
 
こうなったからには消費税が増税される前に買ってやるっ !! 
…という事で、某 Web Shopping での「5が付く日は Point が…」を狙って注文した。
最安値は「A店」の ¥40,492(税込, 送料無料, Point 14% 還元)だった。
一方の「B店」は ¥43,480(税込, 送料無料, Point 23% 還元)と来た。
Point 還元量は実質的な値引き価格分なので、その実質価格は…
 A店:¥34,836
 B店:¥33,498 
…という事になり、B店の方が ¥1,338 安かったので早速に注文を入れた次第である。
某 Point 残高も使い、Card での支払いは税込 ¥42,668 だが、実質的には税込 ¥32,686 での購入になった。
Maker の希望小売価格は税別で ¥50,000 とあらば…? 
税込価格は \54,000 で来月からは ¥55,000 になってしまう “DL-103R” をだよ、およそ「40% Off」の ¥32,686 で買えたのだから…。
ん〜〜〜、これで善しとしようぞ。
 
某 Web Shopping で注文を入れたのは 09/15(日)だった。
すると…? 
なんと翌日の 09/16(月)には我が家へそれが届いてしまったのだよ。
 

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来たぁーっ! 
それって昨日の今日だぞ、おいっ…? 
もう「日本の Logistics」には感銘を覚えるよ、本当に…。
 

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Head Shell は既に準備済み。
audio-technics 製の “AT-LH15/OCC” は、我が教祖様(Audio 評論家の故・長岡鉄男氏)も絶賛の Head Shell なのである。
 

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では、早速に作業開始。
Audio 製品の中でも「超ぉ〜っ!」が付くくらいの「精密部品」だからね。
しっかりと手を洗ってから、とにかく落ち着いて、じっくり丁寧に作業するのが鉄則! 
まぁ〜こんな作業も「Analog Audio の醍醐味?」なのかも知れない。
 

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はい、完成! 
 

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ん〜〜〜。
イイね、イイねぇ〜。
この “DL-103R” は、同じく DENON 製の “DP-900M�供� 向けとする。
 

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因みに、私に届いた “DL-103R” の Data Sheet がこれ! 
そのひとつひとつが、21世紀の今も職人による手造り。
だから、そのひとつひとつに Data Sheet が添付されるという「一品物」なのである。
ほほぉ〜。
微妙にやや右肩下がりという全体像なのだが、さて、その音はいかに…? 
 

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前述の High Compliance でそれはもう「キレっキレ…」な音を楽しませてくれた ortofon の “VMS20E Mk2” は、間逆な Character の “DP-900M�供� に装着していたのだ。
その針圧はたったの 1g である。
 

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で、それを “DL-103R” に入れ替えた。
 

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その針圧は 2.5g である。
Torn Arm の Anti Skating も 2.5g に合わせる。
 

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どうよ? 
どんぴしゃの 2.5g だぞ! 
イイね、イイねぇ〜。
 

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因みに KENWOOD “KP-1100” に装着されているのが “DL-103LC�供� である。
これも針が終わってしまったらば “DL-103R” に替えるんだろうか…? 
 

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では、Pick Up Cartridge を “DL-103R” に変えた “DP-900M�供� を試してみよう。
 

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ん…? 
ん〜〜〜〜っ? 
あらま…? 
いやはや、これは意外も意外だったぞ…? 
前述の Data Sheet からして、さも「そのような音」と身構えていたこの私をあざ笑うかのように、高域にはちょいとキラキラ系の Character をも感じさせたのだ。
でも、それは徐々に衰退するであろうと思われる。
何故ならば、Pick Up Cartridge と言えど Aging は必要であり、その Aging が「ほどほど…」を過ぎてしまうと「劣化」を迎えるのである。
あの「キラキラ系の Character」も、時間の経過と共に「そんなことって、有りましたっけ…?」に推移するように思われる。
こういう事は過去に何度も経験しているからねぇ〜。
たった30分程度の試聴で、この “DL-103R” は評価できないのだよ。
充分に Aging された “DL-103LC�供� と単純比較されたんじゃ〜可哀相、だろ…? 
そんな訳で、もうしばらくは様子を見るとしよう。
 
それにしても…? 
21世紀にもなって自ら “DL-103” Series を買う事になるだぁ〜なんて…。
若かった頃の私には「想像を絶する」ことである。
私がこの世に生まれる以前の ’64年(昭和39年)に誕生し、50年以上も経過した21世紀の今も、我が家で素晴らしい Jazz を聴かせてくれる。
だって50年前だぜ… !? 
何処の家庭に、50年も前に設計された家電製品が現役バリバリで使われている…? 
そう考えると、凄いもんだ。
そんな DENON 製の “DL-103” Series にある種の感銘を覚える私である。
いつの世も、やっぱりそれは…
 イイものはイイ
 ダメなものはダメ 
…で振るいに掛けられた典型なのであろうと、私は思うのであった。
 
“DL-103” で温故知新の日々…。
今や「カブトガニ」のような存在の “DL-103” Series なんだけれども…? 
これを驚きの Tuneup をしてくれる業者さんも存在するから面白い。
近い将来、その業者さんに委ねてみようと企んでいる私である。
だから、まだまだじゃんじゃん遊べる “DL-103” Series なのだよ。
そう! 
この私が死ぬまで「おもちゃ」のようにして遊べるひとつが “DL-103” Series なのかも知れない。
ん〜〜〜。
イイね、イイねぇ〜。
とことん、遊び尽くしてやろうではないか…? 
 
よしっ! 
これからも大いに働き、大いに遊ぼうぞ!
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