GDP
「GDPとは国内総生産のことである」
では、定義や概念の中身を理解したことにはなりません。
「GDPは国内総生産」では、単なる日本語訳です。
生産者がモノやサービスを「生産」し、
消費・投資として「支出(購入)」された結果、
「所得」が生まれる。
「生産」「支出」「所得」の三つは必ず一致する。
上記一連の所得創出のプロセスにおける
「生産の合計」がGDPである。
さらに、GDPは
「消費・投資という支出=需要」の合計でもあり、
「所得」の合計でもある。
GDPで増えている国、
つまりは経済成長している国は
「所得の総計であるGDPが増えている」からこそ、
豊かになっていると考えて構わない。
と、ここまでを理解すると
(大して難しい話ではありませんよね)、
初めてGDPについて
「言葉の定義」「概念の中身」を理解したことになります。
経済指標では、定義や概念が重要です。
あるいは、経済指標で「式」が出てきたときは、
式を組み替えることで「事実」が理解できたりもします。
最近、話題になっている実質賃金。
実質賃金は、以下の式で求められます。
式1) 実質賃金=名目賃金÷物価指数
名目賃金とは、
皆さんに支払われた「所得」の金額のことですね。
それでは、式1)の両辺に
「物価指数」を掛けると、どうなるでしょう。(式の組み換えです)
式2) 名目賃金=実質賃金x物価指数
と、実は名目賃金が実質賃金と物価指数を
掛け合わせたものであることが分かります。
ところで、皆さんの所得
(あるいは企業の利益)の金額は、
何で決まるでしょう。
もちろん、上記のGDPにおける
「モノ・サービス」の価格
(売上ではなく粗利益)と販売個数の掛け算ですね。
式3) 名目賃金=販売価格x販売個数
別の表現をすると、
式4) 粗利益=生産するモノ・サービスの付加価値分の単価x販売個数
となります。
マクロ的に「販売価格=物価指数」と設定すると、
実は「実質賃金」とは
「販売個数」のことであることが理解できるわけです。
となると、実質賃金の下落とは、
「販売個数の縮小」「生産個数の縮小」であり、
マクロ的には「総需要の不足」とイコールになります。
安倍総理は、国会の答弁で、
「名目賃金を物価で割り戻したのが実質賃金。
実質が高いのはデフレ自慢」
などと語っていましたが、話はまるで逆。
実質賃金が下落していることこそが、
総需要不足というデフレーション継続を意味しているのです。
ちなみに、安倍総理本人すら知らないでしょうが、
日本政府は「実質賃金の上昇」を
政策目標として設定しています。
何しろ、デフレ脱却を測る指標の一つに
「単位労働コスト(ULC)の引き上げ」があるのです。
実は、今の日本にとって
ULCの引き上げは、
実質賃金の上昇とほぼイコールになります。
とはいえ、指標の定義、概念の中身、
あるいは指標を示す「式」などに
興味を持たない日本の政治家は、
「ULC引き上げは、
実質賃金の上昇無しでは達成されない」
という現実すら理解できず、
上っ面の議論ばかりが横行しています。
この手の指標について
「完璧」に理解した政党や政治家が望まれます。
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