https://renta.papy.co.jp/renta/sc/frm/item/123605/
「幸色のワンルーム」というマンガをご存知でしょうか?
この作品、さくっと言うと誘拐犯と中学生の少女の同棲生活を描いたものです。
誘拐犯である「おにいさん」は、ある少女をストーカー盗撮して挙句に誘拐しようとします。
ところが、少女は恐れるどころか、むしろ喜んでそれを受け入れる。
実は少女は家庭で日常的に虐待を受け、学校ではいじめに合い、それを相談した担任教師には、
助けて貰えるどころか、強姦され、その後も、弱みを握られてレイプは続くという、壮絶な地獄の日々を送っていて、そこから救済してくれたのが誘拐犯のおにいさんだった。
おにいさんは、少女に手を出すことも無く、理想的な兄か父親のように優しく接する。
今まで知らなかった幸せを知った少女は「幸」という新しい名前を名乗り、
「私たち、二人で逃げて逃げて、結婚しよう。それが出来なかったら二人で死のう」
と誓い合う。
…ね、これ読んでなにか思い出す事件ありませんか?
以前、埼玉で中学生の少女が大学生に二年以上に渡って監禁されていた、あの事件です。
この作品、かつてツイッターで炎上したいわくがある。
というのは、この作品が発表されたのは、あの事件の少しあとでした。
当時、犯人が大学やアルバイトにも通っていたことや、少女が買い物などで外に出ていたことなどから
「あれは誘拐じゃなく家出少女の合意の同棲だ」
「女の子をかくまってくれた優しいおにいさんだ」
と、まあロリコンの都合よい妄想みたいな推測がネットに溢れ、それどころか
「親に怒られるのが嫌だから、誘拐をでっち上げた」とか、果ては「男にさんざ金(生活費)ださせた挙句飽きたら誘拐でっちあげる」など
セカンドレイプとしか言いようの無い発言が飛び交いました。
その最中の、この作品です。
そりゃ、炎上するわな。
作者は「この物語はフィクションです」というだけで、実際の事件から構想を得たとも得ないとも答えない。
それでも、まあ、ツイッターやpixv程度なら、まだいい。
所詮、素人の落書きみたいなもんだからさ。
ところが、この作品が単行本化され、あろうことか、今度は実写化が決定してしまったそうです。
そこで、再び炎上中←今、ここ。
フィクションの物語や人物が必ずしも道徳的模範的である必要はありません。
実際、犯罪行為や犯罪者をヒロイックに扱っている作品は探せばいくらでもあります。
それでも、これはちょっとまずいだろう(-_-;)
この作品を批判している声を「現実と創作の区別が出来ないww」みたいな声があるんですが
いやいや、区別できないのは、これ喜んで読んでるほうじゃねえの?と。
「幸ちゃんがかわいい」とか「ハッピーエンドになって欲しい」とか能天気な感想言ってる連中、ちょっとは考えろよと。
で、私がこの作品を触りだけとはいえ読んで感じたのは、虐待やいじめ、レイプといった題材をあまりに軽く扱いすぎているということ。
世間からは誘拐犯と被害者という関係でしかない間ではあるが、それが地獄の日々からの唯一の救いであったというやりきれないほどの最悪の救済という主題ではなく、
単にご誘拐犯のおにいさんを少女が慕うご都合主義の理由付けにしてしまっている点が一番気になるというか、カチンとくる。
つまりは、ロリコンドリームの正当化じゃね。
なんというか、こういう作品を出版社が出すところも、どこでどういう形か(映画か、ドラマか、ネット放送か、衛星か、地上波か)は知らんが実写化することも、
アニメイトあたりがそれに乗っかってフェアやっちゃうところも、なんだかなあと。
フィクションの現実に与える社会的影響ってものをちょっとは考える「大人」はおらんのか。
なんか、オタカルチャーの劣化をしみじみ感じる話である。
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