生物には報酬系と呼ばれる脳の働きがある。極端に言えば、何かいいことが待っていると思うと頑張れる、という性質だ。ただ、非常に厄介なことに、その期待が裏切られると不快感を感じるというものでもある。
殺そうとするならなぜわざわざCDを買ってまで会いに行ったのだ、という趣旨のつぶやきを多く見かけた。その理由は比較的シンプルな報酬系の働きに過ぎない。CDを買い、あるいは多額のアイテムを購入して、その見返りとしてアイドルから特別視されることを期待する。その報酬を裏切られ続けたことに対する報復なのである。
ずいぶん身勝手な話だと思う人も多いだろう。しかし、なにぶん本能というか生命の基本構造に根ざした性質なので、多かれ少なかれ人は誰でもこの性質を持っている。「頑張ったのに」とか、「これだけ貢いだのに」とか、自分が何かを努力(あるいは犠牲に)したにもかかわらず、見返りが得られなかった時の落胆は、ほとんどこの報酬系によると考えることができる。そして場合によっては、楽をして得をする人が許せないという、一階層上の妬みまで発展する。この問題を理性で抑えるのは難しく、宗教的に言えば業というやつかもしれない。
犯罪の加害者は理解しえないモンスターかもしれないが、あまりにも自分と区別して切り離すのは少し傲慢かもしれない。誰しも聖人のような一面と悪魔のような一面を併せ持っている。自分の中に悪魔がいないことを証明する方法はない。姿を現さぬよう恐れながら生きるしかない。
■「刺して殺そうと…」欅坂46の握手会でナイフ所持疑い
(朝日新聞デジタル - 06月24日 22:29)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4636966
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