自分が被災する前
私はこう考えていました
もし津波が来たら
みんなで山に逃げれば大丈夫
山に逃げさえすれば何とかなる
しかし 実際に津波を体験したとき
高台では逃げきれない津波であることを
その場 その時になって初めて気づいたのです
避難した高台に面する山によじ登り
雪でぬれた落ち葉に足を取られ
大きな余震で何度も斜面から滑り落ちる体を
太い木や切り株にみんなでしがみつき
そうやって 山に逃げることになるとは
「 みんなで山に逃げれば大丈夫 」という
考えの中では 想像すらできていませんでした
あの寒い日に
雪の降り始める雄勝の山を
凍えた手を泥だらけにして
家族を逃がさなければと必死で姿を追い
自分の身に死を感じ
母と祖母がいるはずの病院の方に目をやり
海と空とが一緒になって水平線が定かでない中
「夢だよね」「これ夢でないの」「夢じゃない」
「掴まれー!太い木さ掴まれー!落ぢんなよー!」
「上がれ!上がれ!早ぐ上さ上がれー!」
「嘘だよね」「嘘!」
「何でー!」「何で・・・」
「子供だぢどごさいだ!どごだ!いだが!」
「お爺さんお婆さんどごさいった!(下に)下がんなよ!」
「地獄だ!」「こいづは生ぎ地獄だ」・・・・・
大きな声で叫んでも
津波の音と余震で震える山の音でかき消される皆の声
へばりついた山の湿った土のにおい
表現しようのない水の音
水の入った車の鳴りやまないクラクション
高台にあった中学校の屋上にじゃぶじゃぶ水が入る様子
波嵩が高くて大きな大きなプールのようになった町
向かいの山にある新山神社が水没する様子
逆さになって浮かんだ大型バスが流れる様子
あまりのことで 風の冷たさも感情も・・・・
「 みんなで山に逃げる 」という
震災前に想像していた行動や状況とは
まるで違う世界がそこにはありました
こうして当時の様子を
記事でお伝えすることしかできませんが
絵空事ではない災害というのは
自分の身と心が被害を受けるという意味です
皆さんの住んでいる環境 生活している環境で
危惧される災害の状況も大きく違います
私の記事をご覧になって
雄勝の人は可哀想 大変だったんだね
被災地の人は辛いんだねと思うのではなく
ご自分の身や家族の身に降りかかったらどうしようと
命を喪わないように何をするべきかを
話し合って頂きたいのです
ご自分の頭の中だけで考えていてはいけません
自己完結はとても危険な独り善がりです
必ず大切な人と話し合ってください
次の災害が 皆さんの身に降りかかる前に
どうかお願いいたします
災害の姿を知っていただくために
皆様のお心に触れる何かがございましたら
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#語り部佐藤麻紀
熊本地震、その後13万回発生
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4518902
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