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2017年04月03日08:37

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被災して初めて分かったことです

避難所に入った際
被災の度合いが違う人々が同じ空間にいることになります
 
住んでいた家は大丈夫だけれども
家にいるのが怖いので避難した人...
 
津波で一階が浸水したので避難してきた人
 
たまたまその地域を訪れていて被災した人
 
家が全壊流出し 身一つで避難してきた人
 
避難時にけがを負い 命からがら避難した人
 
みんなそれぞれに大変な思いをして
避難所という同じ空間で 同じ時を過ごします
 
私たち家族も 雄勝町の火葬場から
隣町の河北中学校の体育館へ避難させて頂きました
その体育館には避難している人も少なく
周りにいる方の様子が見渡せるような状態でした
 
だいぶ高齢で介護が必要なはずのご夫婦や
デイサービスの送迎途中で被災した糖尿病の方
皆 違う背景を持って避難しています
普段は家庭の中にあって他人には見えない
人々の生活の現場がそこにはありました
 
それぞれが生きるために精一杯の状況でした
 
避難して確か翌日あたりだったと思います
一人に一本500mlのペットボトルで飲料水を頂きました
 
雄勝の火葬場では山水を煮沸して飲んでいましたから
断水中の避難所で水が飲めると思わなかったのです
 
当時小学校6年生と3年生だった子供たちに
「 この水で生きるんだから 
  喉が渇いたときに少しずつ大切に飲むんだよ
  一回でいっぱい飲むと すぐおしっこになって
  体から出て行ってしまうから 少しずつだよ 」
そのように念押ししましたが
あのひどい状態を本当の必死で逃げてきた子供達は
その水が自分の命を繋ぐことを理解していました
 
本当になめるように少しづつ飲んでは
大切に大切に蓋をして 体から離さずにいました
 
しばらくして 二人で体育館を歩いていた子供たちが
泣きそうな顔で私のところにかけ寄り
息を切らせながら小さな声でこう訴えました
 
子供達には 皆が大変な思いで避難しているのだから
大きな声で話したりしないよう 言ってありました
 
「 お母さん あの人たち 飲み水で歯を磨いてる! 」
「 これは 生きるための水なのに 歯を磨いてる! 」
幼くも真剣な怒りを込めてそう言ったのです 
もちろん 私達は被災後 歯磨きも出来ていない状態です
 
そっと 子供たちの言う方向にに目を向けると
皆が共有している体育館の 自分の寝床で
そのご家族は立ったまま 歯磨きをし
自宅から持ってきたのでしょう
歯磨き粉の泡だらけにした口を漱ぎにトイレに行くため
頂いた飲み水を口に含みながら歩いていました
 
トイレから戻ってくるときには
「 足りないものは家に帰って持ってくればいいんだから 」
「 そうだね 家に戻れば一階はダメでも物はあるんだし 」
そのように言いながら避難所の中を歩いていました
 
もし皆さんが 
私や子供たちと同じ状況で
この様な場面を目にした場合
どのように思われるでしょうか
 
 
また 避難所にいる親戚を心配し
食料を大量に差し入れしてくださる方もいましたが
頂く方で助かった 有難いと思ってはいても
そこには 戸惑いもあるのです 
「 私達だけ皆の目の前で食べるわけにはいかない 」と
周りで同じように避難している方への申し訳なさがあるのです
 
いくら多くの食料を頂いても
同じように避難してきた皆に分けるほどあるわけではなく
どうしても切羽詰まって食べるのであれば 
身を隠して食べるしか方法が思いつかないのです
 
これは私も被災して初めて分かったことです
 
人から聞けば 
そんなの当たり前でしょうと思うかもしれませんが
実際自分がその空間に身を置くとよく解ります
 
これがもっと大きな避難所で
大勢の人がひしめき合う中で
私は自分の分を用意してきたのだから
持ってこない人が困るのは当たり前でしょう
そのような考え方で 
持参した食料を皆の前で食べていたら
周りの人はどんな感情を抱くでしょうか
 
もしその備えを奪おうとする人がいたら
自分にも責任があるとは思わないでしょうか
恐ろしいとは思わないでしょうか
 
人間には心があります
特に被災時には何があるかわかりませんから
通常よりもよく考えて行動しなければいけません
 
稚拙な記事ですが 
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#語り部佐藤麻紀
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