日本国民の多くが勘違いしていますが、
社会主義の対義語は資本主義ではありません。
自由主義です。
そもそも、資本主義とは、生産活動に
資本(交通インフラ、工場、設備、運搬車両など)を
投じることで、労働者一人当たりの生産量を増やす
経済モデルになります。
生産活動に「資」本を「投」じる。
すなわち、投資。
投資こそが、資本主義そのものなのです。
厳密には、投資をすることで生産性を高め、
労働者が豊かになる(生産=所得です)のが、
資本主義なのです。
この資本を「誰」が投じるのか。
資本を国家が管理するべきという考え方が社会主義であり、
民間に任せるべきとするのが自由主義です。
当たり前ですが、現実の世界では極端な社会主義も、
極端な自由主義も、共に災厄です。
社会主義国家の代表であったソ連は、
生産性を高めるインセンティブが働かず、
国民はモノ、サービス不足に悩まされました。
恒常的な高インフレの下で、
国民が豊かになることもなく、
最終的には「ソ連消滅」に至ります。
逆に、自由主義を突き詰めると、
例えば道路、橋梁、トンネル、港湾、空港、
高速鉄道等の交通インフラも、
全て「民間資本」で整備するべき
という話になってしまいます。
公共投資に関するコンセッション方式や、
PPP/PFIが、まさに「民間資本で交通インフラを」
という発想なのですが、
民間資本の多くは株式会社です。
そして、株式会社の目的は利益最大化なのです。
株式会社が「一般道路」や「橋梁」を整備するとなると、
当然の話として利用する住民から「通行料を取る」
という話になってしまいます。
皆さんの家の前の一般道路を通る際であっても、
通行料です。
川一本渡るたびに、利用料を徴収されます。
この手の社会基盤(インフラストラクチャー)の整備と、
利益追求の株式会社は馴染みません。
だからこそ、交通インフラは
「国家」が建設国債を発行し、整備し、
国債を長期間かけて償還するという
仕組みになっているのです。
要するに、国家とは「完全なる社会主義」と
「完全なる自由主義」の間のどこかで、
適当なバランスを探る必要があるわけです。
中庸こそが、現実的な解なのです。
それにも関わらず、
自己の政治的目的を達成するために、
極論を叫ぶ人の多いこと、多いこと。
中庸を探り、社会主義と自由主義の間の
適切なバランスを維持しなければ、
社会は安定しない。
アメリカ大統領選挙で、「民主社会主義者」と
名乗ったバーニー・サンダースがあれほど善戦したのが、
中庸の重要性を証明してくれていると思うのです。
もっとも、日本の場合はデフレ下で
「投資激減」という有様になっています。
すなわち、資本主義が成り立っていないのです。
まずは、人々が成長のために投資をする環境を
取り戻さなければならない。
社会主義、自由主義以前に、
「資本主義を取り戻さなければならない」のが、
現在の我が国なのです。
なかなか、厄介な話です
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