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2016年08月24日23:58

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資本主義を知らない財務官僚

文藝春秋・九月特別号に、「戦前生まれ 115人から日本への遺言」という特集があるのですが、そこに齋藤次郎と尾崎護という、二人の元事務次官が寄稿しています。

齋藤氏のタイトルが「子孫にツケを回すなかれ」、尾崎氏が「借金の山を削る努力」と、いわゆる「国の借金」論に基づいています。

中身はコピー&ペーストしたように似ており、要は、「日本は生産年齢人口が減少し、高齢化人口が増え、社会保障費用が増えるため、国の借金(正しくは政府の負債)を減らさなければならない」という、財務省テンプレに基づいているわけです。

さて、この手の主張を見かけるたびに、毎度毎度、不思議に思ってしまうのですが、「国の借金論者」という日本のデフレ脱却を妨げる勢力は、なぜか「生産性の向上」という普通にある現象を無視します。

例えば、今後の日本において、社会保障費用は年間1.2兆円ずつ増えていくと考えられています。
ということは、税収が毎年、1.2兆円以上拡大していけば、普通に賄えることになります。

税収は名目GDPに(ほぼ)比例するため、1.2兆円の税収増は、いわゆる税収弾性値を無視したとしても名目GDPの成長率3%で軽く実現してしまいます。

実質GDPではなく「名目」GDPであるため、実質的な経済成長がなかったとしても、GDPデフレータベースのインフレ率が3%になれば、社会費用拡大分の税収増は達成できます。

「いや、生産年齢人口が減っている以上、名目GDPは増えない」と、財務省テンプレは反論してくるのでしょうが、だから「なぜ、生産性向上を無視する」という話になるのでしょう。

生産性向上とは、生産者一人当たりのモノ・サービスの生産量の拡大を意味します。

生産性向上が起きないというのであれば、「生産者x生産量」で計算されるGDPが拡大せず、当然ながら税収も増えず、社会保障の費用を云々という話は成立します。
とはいえ、生産性向上の否定は、資本主義の全否定でもあります。

資本主義経済においては、生産活動に資本、労働、そして技術が投じられることで生産性が向上し、生産者一人当たりの生産=所得が大きくなっていきます。

当然ながら、生産年齢人口が減ろうとも、生産性が向上していけば全体の生産量であるGDPは成長します。
税収も、増大していきます。

上記は資本主義社会で生きる人間にとっては「当たり前の話」でなければならないはずなのですが、現実には多くの日本国民が理解していません。

特に、日本のデフレ長期化の主犯たる財務官僚は、齋藤氏、尾崎氏の寄稿を読む限り、資本主義を知らないか、もしくは資本主義に背を向けています。

日本国民は、とりあえず資本主義を取り戻す必要があるのです。
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