「北海道新幹線の健闘」
正直に「予想外」と書くべきなのでしょう。
北海道新幹線が健闘しています。
北海道新幹線「新青森―新函館北斗間」の16年6月の利用実績が、一日平均で約7900人と、8千人に迫りました。
在来線の同区間における15年6月の利用実績が約4300人。
新幹線開業により、利用客がほぼ倍増したことになります。
しかも、ゴールデンウィークで観光客が増える5月と比べても、6月は4%ほど伸びたのです。
特殊要因ではなく、傾向として「乗客が増え続けている」と理解するべきでしょう。
函館朝市「どんぶり横丁」は、以前は閑散としていた午後1時頃(何しろ「朝市」です)から、むしろ来客数が増加するようになりました。
東京駅を8時20分に出発する「はやぶさ5号」の乗客が、新函館北斗駅から在来線に乗り換え、どんぶり横丁に到着するタイミングが、まさに午後1時頃というわけです。
函館の観光産業の象徴である五稜郭は、新幹線開通後の4月が対前年比30%増、5月が32%増、6月が50%以上の増加と、着実に来場客が増えていっています。
高度成長期以降の「東京一極集中」により、東京圏の人口規模は3500万人と、世界最大に膨れ上がってしまいました。
3500万人もの住民がいるということは、「サービス産業」が発展するに際し、東京圏以上に好都合な市場は、世界中を探してもどこにもないという話になります。
逆に言えば、人口を東京に吸い取られた日本の各地方は、サービス産業発展の芽を摘まれたともいえるわけです。
ところが、新幹線が整備されていくと、地方のサービス産業の市場が「東京圏」を射程に入れることが可能になります。
金沢の観光サービス、飲食サービスが活況を呈しているのは、もちろん北陸新幹線開業のおかげです。
東京駅と新函館北斗駅間は、最速で4時間2分。
しかも、東京駅までの移動、新函館北斗駅から函館駅までの移動を考えると、普通に「5時間」かかるわけです。
それにも関わらず、明らかに東京圏の市場を函館のサービス産業が取り込みつつあります。
片道5時間であっても、乗客数が着実に増え続けているのです。
北海道新幹線は、建設中の「新函館北斗−札幌間」が開業しないと、本来の効果を発揮しないと言われていました。
ところが、現実には「新青森−新函館北斗」開業だけでも、函館のサービス産業を成長させるパワーを持っているわけです。
個人的には、新青森の次の駅である「奥津軽いまべつ駅」に注目しています。
知名度が高い割に、東京圏の住民が行く機会がなかなかなかった「津軽」まで、東京駅から奥津軽いまべつまで3時間40分で行けます。
しかも「乗り換えなし」です。
太宰治記念館「斜陽館」、津軽三味線会館、津軽鉄道など、大都会とは異なる「もう一つの日本」を見つけに、
乗り換えなしの新幹線で訪れる。
これこそ「贅沢」というものですよ
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