ジリリリリーーーーン
ガチャ
警察「はい、警察です。どうされましたか?」
男「ひ、人が死んでるーーーーー!」
ピーポーピーポー
部下「警部、こっちです」
警部「すまん。この雪のせいで道がこんでて遅れてしまった。状況を説明してくれ」
部下「はい。このアパートの一室で男性の変死体が見つかりました。死亡推定時刻は硬直状態から判断して今から一時間ほど前です。亡くなったのは、このアパートに住んでいるエヌさん、40歳。職業は芸能事務所でマネージャーをしているそうです」
警部「自殺か?」
部下「いえ、死因は包丁で背中を刺されたことによるショック死。包丁に指紋がなかったことから犯人が拭き取ったものと思われます。部屋には争ったあともありました」
警部「死体を発見したのは誰だ?」
部下「このアパートの大家です」
警部「大家に発見時の様子を聞きたい呼んできてくれ」
警部「あなたが死体を発見したときのことを教えてください」
大家「はい。今日は月末なんで家賃をもらいに行ったんです。ところがドアをノックしても返事がない。窓から部屋の明かりが見えるし、テレビの音も聞こえるし、おかしいなぁと思って、ドアの鍵穴から中を覗いてみたんですよ。そしたら、包丁が刺さったままうつぶせに倒れてるエヌさんを見て」
警部「それからどうしたんですか?」
大家「こりゃ一大事だと思って、ドアを開けようとしたんすよ。ところがドアに鍵がかかってて開かなかった。それで、いつも持ち歩いてるマスターキーでドアを開けてエヌさんにかけよったんですが、明らかに死んでいたので携帯で警察に通報しました」
警部「その後は?」
大家「そのあと、エヌさんの保証人になっている芸能事務所の社長に電話をして、それからずっと玄関にいました」
警部「ありがとうございました。 おい、部屋の中の様子は?」
部下「はい。部屋はワンルームで窓が2つです。どちらの窓にも内鍵がかかっていました」
警部「玄関の鍵はどこにあった?」
部下「はい。玄関の鍵は室内で見つかっています。この鍵は特殊な鍵で複製できず、あるのは被害者の持つ鍵とマスターキーのみだそうです」
警部「窓やドアを外した形跡はあるか?」
部下「いえ、ありません。ドアの鍵をこじ開けようとした形跡もありません」
警部「すると、犯人は玄関から出て鍵をかけたあと、室内に鍵を投げ入れたのか?」
部下「いえ、調べましたが室内に鍵を投げ入れれるような隙間は見つかりませんでした」
警部「それならば、マスターキーを持った大家が犯人だ」
部下「家賃の取り立てに大家の妻も同行していて、今日は朝からずっと一緒だったと証言しています。」
警部「うぬぬ。大家でないとすると、この部屋は完全な密室だということか。俺の手にあまる案件だ。あの人を呼べ!」
部下「警部、あの人とは?」
警部「名探偵の毛利小五郎だ!」
中編へつづく。
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