昔々あるところに、お爺さんとお婆さんが死んでいました。
お爺さんは山で柴刈り中に、お婆さんは川で洗濯中に逝きました。
お婆さんが川原で小石を積み上げていると、対岸から「どんぶらこ、どんぶらこ」と、大きな船がやってきました。
「これでやっと向こうに渡れるわ」
と、お婆さんは思ったのですが、渡し賃を持っていませんでした。
「これは困った。お爺さんに相談だべ」
「お爺さんやい、金がなくて船に乗れなかっただよ」
「婆さん、それなら簡単じゃ。地獄の鬼どもが金を貯め込んでいるようだから、そこからかっぱらってこよう」
「それはいい考えですね。さっそく行きましょう」
こうしてお爺さんとお婆さんは鬼ヶ島へ旅をすることになりました。
「おー爺さんお婆さん、お腰につけた霊魂を一つ私にくださいな」
「あーげましょうあげましょう、これから金の強奪についてくるならあげましょう」
そんなこんなで、ケルベロスと、シルバーデビルと、エリック・ドレイブンがお供になりました。
「お爺さん、鬼の城が見えてきましたよ」
「よっしゃ!俺に続け!」
お爺さんが城門をぶち破ると、みなで強襲をかけました。
ケルベロスは火を吹き、シルバーデビルはベギラマを唱え、エリック・ドレイブンは忌まわしい過去の記憶を鬼の頭に送りました。
勝負は一瞬でした。
お爺さんとお婆さんとお供は、奪った金を山分けしてそれぞれ帰っていきました。
婆「ほほほ、これで川を渡れるわ」
爺「ほれ、渡し賃じゃ」
船守「確かに。さぁ、乗るがいい」
船は順調に川を渡っていましたが、思わぬアクシデントに見舞われました。
船守「たいへんだ!船底に穴が開いた!このままでは・・・」
爺「なんだと!」
婆「なんですって!」
船守「安心しろ。ここに、桃型の救命用の船がある。一人乗りだがな」
爺「これは、わしのじゃ!」
ガシッ!
お爺さんは素早い動きで桃型の救命船を奪うと、沈みゆく船に船守とお婆さんを残して逃げ出しました。
昔々あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。
お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。
お婆さんが洗濯をしていると、川上から「どんぶらこ、どんぶらこ」と、大きな桃が流れてきました。
お婆さんはその大きな桃を拾い、家に持ち帰りました。
お婆さんが桃を切ろうとすると、中から男の子が生まれました。
婆「まぁ、なんてかわいい子なのかしら」
爺「桃から生まれたから、桃太郎という名前にしよう」
レテ川を流れたお爺さんは記憶をなくし、「オギャー、オギャー」と泣くばかりでした。
めでたし、めでたし。
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