1958年サンフランシスコ。元夫のDVから逃れ、この新天地にやってきたマーガレットは、幼い娘ジェーンを伴い職探しを開始した。何とか家具屋に勤め始めるが、美大出の彼女は、いつか画家として成功することを夢見ながら、フリーマーケットで細々と絵を売り始める。そのモチーフは、いつも小さな子供。心の窓である目を大きく描くのが特徴だった。そんな彼女が、不動産屋で素人画家のウォルター・キーンと出会う。キーンはフランス留学中の記憶を頼りにパリの街並を描き続けていたが、その退屈な画風からギャラリーには相手にされないでいた。ウォルターとマーガレットは惹かれ合うようになり、即結婚。そして二人の絵をバーの廊下に展示して販売を開始する。口が巧く商才に長けたウォルターの腕と運で、絵はどんどん売れ始めるが、それはマーガレットのものばかりだった。絵のサインが<キーン>であることをいいことに、マーガレットの「ビッグアイズ」(目の大きな子供の絵)を、自分が描いたかのように吹聴するウォルター。だがそのおかげで絵が売れていくのだから、マーガレットは文句も言えなかった。豊かな生活を手に入れられたのは、ウォルターの嘘のおかげなんだから、ずっと黙っていよう・・・そう決心したマーガレットだったが、あまりにも絵をテキトーに扱うウォルターに、次第に不信感を募らせていく。そして1963年、ついにマーガレットはウォルターの<本性>に気付いてしまい、ハワイへと逃亡。だが執拗なウォルターは、ゴーストペインターとしてビッグアイズを描き続けろと脅迫してくるのだった。そこでマーガレットはついに決意。世界的に有名になったビッグアイズの本当の作者が自分であることを、マスコミに公表してしまう・・・
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「ビッグ・アイズ」。ティム・バートンの新作ですが、いつもの彼らしいケレンミのある映像は控えめ。実話を元にした半シリアス半コメディな映画でした。コーエン兄弟の映画と言われても違和感がないかも。そんな感じです。
といっても、これ、バートンみたいな作家性の強い監督が撮ったのは、必然かもしれません。映画に置き換えると、ウォルターは製作会社でマーガレットは監督のメタファー。作品に愛情を注ぐ人間にとっては絵は<芸術>ですが、作品を金儲けの道具としかみなさない人間には<商品>でしかないんですよね。バートン監督、ちょっと今の映画作りのシステムに苛立ちを感じているんじゃないかな。そんな怒りすらも感じるドラマなんですね。
で、何と言っても見どころはウォルターを演じるクリストフ・ヴァルツですよねー。あんなダメ男、映画の中でも久々に観た気がしました。ヴァルツのコントみたいな演技は本当に可笑しいです。ビッグアイズの作者がどちらなのかを裁判所が決めるときに、法廷で二人が同時に絵を描くことになるんですが・・・その時のヴァルツの言い訳が大爆笑でした。オススメの一本です。
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