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2015年01月07日00:05

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勝者に優しく、敗者に冷たい

昨年の12月30日に自由民主党と公明党の両党が2015年度税制改正大綱を決定しました。

今回の税制改正の特徴は二つ、すなわち、「富裕層、優良企業(黒字企業)に減税し、国内への雇用や投資を促すトリクルダウン効果に期待している」「税金のビルトインスタビライザー(埋め込まれた安定化装置)の機能を重視していない」の二つになります。

法人税を15年度は2.51%引き下げ、16年度は下げ幅を3.29%に拡大し、「赤字法人」であっても規模に応じて課税される「外形標準課税」を強化する。
(幸い、中小企業は対象外ですが)

過去の赤字(欠損金)と、黒字を相殺し、税負担を減らせる「欠損金繰越控除制度」を縮小する。

住宅購入資金の贈与税非課税枠を、最大3000万円に拡大する。

などなど、金融資産が多い富裕層に減税し、黒字企業にも減税。
財源については、中小企業を除く赤字企業に課税(外形標準課税強化など)することで賄う、と、勝者に優しく、敗者に冷たい税制改正になっているのです。

現在の日本において、単純に法人税を減税するだけでは、政策的に増大した純利益は「内部留保」「対外直接投資」に向かう可能性が大です。
一応、賃上げ企業の減税制度も新設、拡充されることにはなっていますが、そもそもデフレで需要(仕事)が十分にない状況で、企業が賃上げに向かうかどうかは「未知数」です。

それ以前に、国境を越えた資本移動が自由化されている日本において、法人税減税で「トリクルダウン」を狙うなど、無茶な話なのです。

また、贈与税の非課税枠拡大は、一応、トリクルダウン(国内への住宅投資)が前提になってはいますが、とりあえずは「富裕層」が恩恵を受ける税制になります。
非富裕層には、直接的には恩恵がありません。

それにしても、税金には、「敗者(赤字企業、失業者、低所得者層)の税負担を軽減し、復活を早める」というスタビライザー効果が埋め込まれている(ビルトインされている)はずなのですが、昨年の消費税増税といい、今回の税制改正大綱といい、与党の「税金に対する考え方」は、明らかに「税金の安定化装置」としての機能を無視しています。

消費税増税により、消費性向が高いために負担が重くなった低所得者層は、ますます生活が厳しくなります。
逆に、所得性向が低い高所得者層は、消費税が増税されたところで特に問題はありません。
「逆累進性」が強い消費税は、国内の格差を拡大へと導きます。

さらに、赤字企業であっても、規模によっては外形標準課税で課税されるとなると、復活が遅くなるどころか、下手をすると消費税増税の件もあり、「税金を払えないため、倒産、廃業」という事態を招きかねません。

2015年は、上記税制改正に代表される安倍政権の「トリクルダウン思想」や「勝者に優しく、敗者に冷たい」政策ポリシーを、いかに早期に転換に持ち込めるかがポイントになります。

「敗者は自己責任」などというスタイルで政策を実施されてしまっては、我が国の「国民経済」の復活はあり得ないのです。
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