英語の語源 - Roots of Englishコミュの初めて本書の構想を出版社と話し合ったとき、私の頭の中には1つの明確なフレーズがありました。undercover sex lodgeです。私の中では抱腹絶倒ものの楽しいフレーズで、「ラブホテル」という言葉の意味を凝縮した究極の3語フレーズでした。とはいえ、皮肉にも私は、17年も日本に暮らしたというのに、いまだに一度もラブホテルに足を踏み入れたことがないのですが。考えてみれば、日本人ではない私は、本書で取り扱っている多くの言葉について、しばしば「のれん」に視界を遮られながら、よそ者の立場で記述したような気がします。「義理と人情」のように、日本文化を深く理解していないとなかなかピンとこないようなコンセプトもあり、多くの場合、自分の知識や経験に頼るのではなく、独自に調べたり、辛抱強い編集者と相談したりしなければなりませんでした。そうは言っても、もちろん、「親父ギャグ」のように事実上、世界共通の言葉もあります。ところで、今夜は豚肉のしょうが焼きの材料を買いに走らなくてはいけないのです。面倒だけど「しょうがない」（すみません）。 　本書を読むに当たって、１つ念頭に置いておくべきことがあります。それは、ほとんどの場合、あるコンセプトを完璧に伝えるには３語では足りないということです。これは外国語の語句を説明する場合に限ったことではありません。ときには、同じ母語の話者同士でもコンセプトを伝えられないことがあります。単に、それが言語というものの性質なのです。コミュニケーションを取るということは、信号を出力するということで、あとはその信号がこちらの期待どおりに受け取られるよう願うしかありません。そして多くの場合、そううまくはいかないのです。私たちが意図したとおりに気持ちを通わせることができないというのは、人間が経験する中で最大の悲劇の一つです。いや、申し訳ありません！　少々深刻になりすぎましたね。私がここで言いたいのは、本書で取り上げている３語フレーズは、会話を進めるためには非常に優れているということです。これらのフレーズを口に出せば、相手の好奇心や質問を誘うことにつながり、やり取りがとても面白いものになる上、お互いに新たな発見があるでしょう。それこそが、本書の「マジカル」な部分なのです。 https://www.amazon.co.jp/-/en/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%B9/dp/4794607954/