ブルーノ・ワルターコミュのブルックナー 交響曲第９番 名盤：指揮者の解釈 3.ワルター：十二音解析とテンポ解析より ・各演奏の分割/十二音解析 3４人の指揮者、55演奏につき、それぞれの演奏を一定の箇所で64分割し、分割部の十二音解析による解析表情と相対テンポ求めた。 上記データから解釈内容より９人の指揮者を選択、次に解釈の内容を3分類、その分類順に記載する。3番目は、ワルター。 3．ワルター �．縫紂璽茵璽�・フィル、録音：1953年、解析表情数：59 �▲灰蹈鵐咼�響、録音：1959年11月16-18日、解析表情数：65 ワルター(1876年9月15日-1962年2月17日)は、ドイツのベルリン生まれ、両親ともユダヤ系のワルターはナチスに迫害を受け、1939年に渡米、ニューヨークフィルハーモニックの音楽顧問（1947-49年）、戦後は欧米で精力的に活躍。1958年に心臓発作で倒れ、休養後は、ワルターのために特別編成されたコロンビア交響楽団と多くの録音を残した。ブルックナーは、９番(59年11月)、４番（60年2月）、７番(61年3月)。さらに、8番も予定していたが、力尽きたようだ。 ・ワルターの特徴（図3-1〜5） 53年NYP：かなり速いテンポで分厚く力強いスウィング。楽曲内容やストーリーは後者に比べてやや弱いながらかなり表現されている。後者に比べると、目標の高いワルターの解釈の完成まではまだまだ道半ばといえるであろう。 59年コロンビア響：最初はオケのサウンド面でやや貧弱さを感じるかもしれないが、聴き進めるとワルターの解釈に応えるオケの豊かな表情に魅せられる。全体としてやや速いテンポでスウィングを重視しながら、楽曲の意味・内容・情感、ストーリーが明確かつ緻密に表現されている。 第１楽章：夜明けから力強い人生の歩み、逆境にも強い決意で対応、さらなる転機・重圧に耐えるが限界。悟りと慈愛、荒波に心身極限。人生のストーリーとして解釈し、表現できているワルターの手腕、次元の高さが感じられる。 第２楽章：強い意志による行動に愛情が絡み合うことが充実した人生の要件であることを示しているが、ここでは一層力強く躍動的リズムとレガート気味の愛情表現によってメリハリ付けて両者を一層浮かびあがらせている。明確な解釈によって真意がよくわかる。 第３楽章が最も素晴らしい。ブルックナー自ら「生への告別」と呼んだこの楽章、ワルターは楽曲毎のストーリーが見える化できる内容にまで解釈を深めている。第１楽章も記載内容に近いが、終楽章はさらに洗練された表現である。 具体的な筋書き概要：病状の厳しさ、嘆き、祈り、様々な心情、さらなる厳しい状況、最期の祈り、生死境の彷徨い、天上の別世界へ旅立ち、天上での戸惑い・彷徨い、悠揚たる天上の世界。 全体を通して、最初はややひ弱なサウンドに感じるが、表現されている内容は豊饒で、見える世界は異次元である。 ブログ：http://tkdclassic1.blog.fc2.com/blog-entry-259.html
困ったときには
