予防課の隠れ家コミュの「音波消火器」 音波消火器は、強力な音波を発生させて火を消す消火器です。音波は空気の振動の波で、火を揺さぶって流れを不安定にすることで燃え続けるのを妨げます。 音波消火器の原理は、音の共振（共鳴）と呼ばれる現象を利用しています。管やパイプ、コップやボトルといった口の空いた容器にはそれぞれ特有の共振周波数があり、その周波数の音を当てると強く響いたり、空気の流れとしてエネルギーを与えられたりします。 音波消火器は、米ジョージメイソン大学のビエト・トランさんとセス・ロバートソンさんが開発しました。従来の消火器とは異なり、圧縮空気を入ったタンクから消火剤が吹き出すのではなく、サブウーファーほどの大きさのスピーカーから音波を出して消火します。 音波消火器の仕組みは次のとおりです。 低周波の音波を火元に浴びせて、炎の周りの空気をかき乱す。 酸素の供給を断つことで火を消す。 音波消火器には、次のようなメリットがあります。 水や粉、泡、化学薬品といった従来の方法で消火すると残留物などの片付けが大変ですが、音波消火器ではそのような必要がない。 レンジに設置して油に付いた火を消したり、無重力状態の宇宙での使用を想定している。