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長崎県立北松農業高等学校コミュの宇宙から農地管理や収穫予測 農家とベンチャー連携  宇宙から農地の作物の価値が見える−。人工衛星の観測データを基に農地管理や収穫予測を行うなど、宇宙と農業を結びつける技術の開発が進んでいる。自然豊かな農村地帯の兵庫県丹波市でも今夏、ベンチャー企業の開発したシステムを使い、新たな農業の模索が始まった。 観測画像を解析し収穫時期などを色分けして表示 ■国保有の衛星データ無料開放進む  経済産業省宇宙産業室は、人工衛星の観測データを誰もが無料で利用できるよう「オープン化」「フリー化」を進めている。  「だいち2号」のデータはこれまで民間企業に1件数万〜数十万円で提供していた。しかし有償なうえ、データが膨大で一般のパソコンでは処理できず、なかなか活用が進まなかった。  そこで同室は、観測データを利用しやすい形に加工して自由に使えるプラットフォームの整備を始めた。  国の保有する衛星データを開放するのは世界的な流れだ。アメリカの人工衛星「ランドサット」や欧州宇宙機関(ESA)の「センチネル」は、既に多くの観測データをオープン化、フリー化している。  同省宇宙産業室は「データ活用が進めば、農業分野で新たなビジネスが生まれるかもしれない」とする。  赤や黄、緑などパッチワークのように色分けされた農地。人工衛星の観測データを解析した画像だ。衛星から異なる波長の光を照射して土壌の肥沃(ひよく)度や作物の成長度合いを識別し、色分けして表示している。  「衛星データに地上での作業などのデータを補足すると、どの畑でどんな質の作物がいつ収穫できるかの予測が可能になる」。丹波市に支社を開設した東京のベンチャー企業「うちゅう」最高経営責任者(CEO)の坪井俊輔さん(23)は、農地管理アプリ「SAgri(サグリ)」の有用性を指摘する。  6月、丹波市青垣町の農家、堀謙吾さん(50)の事務所で同アプリの説明会を開いた。堀さんがグーグルマップ上で自身の農地を選び、区画ごとのカレンダーに作物や肥料の種類、その日の作業などを記録していく。そこへ必要に応じ、衛星データを反映させる。  観測画像を解析すれば、土壌の色から肥料となる「腐植」の含有量が、作物の色からはタンパク量が推測できる。肥沃度合いや水分量、日射量など数十項目を可視化。実際の運用に向けて調整中だ。  堀さんは約20ヘクタールの農地に従業員7人を抱える大規模農家。情報の一元化はもちろん、米や小豆の「おいしさ」が目に見えるようになるシステムについて「近年は米を売るにも付加価値が必要。自信を持って売り出せる」と期待する。  こうした衛星による「リモートセンシング」技術は、作業効率の向上だけでなく品質の裏付けにもつながる。消費者自身がデータを見られるようにすれば「この区画の米を」といった注文も可能だ。  経済産業省は本年度、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の観測衛星「だいち2号」の画像データなどを無償提供するシステムを整備する。ドローンの併用などにより、データに基づく「精密農業」にますます弾みがつきそうだ。  サグリは現在、丹波市内の農家約20人が試行中だ。坪井さんは今後、近隣市町や近畿、四国などにも広げていきたいという。「丹波市の農家の経験と蓄積に、宇宙から情報を加えてよりよい農業を実現したい」と話した。

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宇宙から農地管理や収穫予測 農家とベンチャー連携

 宇宙から農地の作物の価値が見える−。人工衛星の観測データを基に農地管理や収穫予測を行うなど、宇宙と農業を結びつける技術の開発が進んでいる。自然豊かな農村地帯の兵庫県丹波市でも今夏、ベンチャー企業の開発したシステムを使い、新たな農業の模索が始まった。

観測画像を解析し収穫時期などを色分けして表示

■国保有の衛星データ無料開放進む

 経済産業省宇宙産業室は、人工衛星の観測データを誰もが無料で利用できるよう「オープン化」「フリー化」を進めている。

 「だいち2号」のデータはこれまで民間企業に1件数万〜数十万円で提供していた。しかし有償なうえ、データが膨大で一般のパソコンでは処理できず、なかなか活用が進まなかった。

 そこで同室は、観測データを利用しやすい形に加工して自由に使えるプラットフォームの整備を始めた。

 国の保有する衛星データを開放するのは世界的な流れだ。アメリカの人工衛星「ランドサット」や欧州宇宙機関(ESA)の「センチネル」は、既に多くの観測データをオープン化、フリー化している。

 同省宇宙産業室は「データ活用が進めば、農業分野で新たなビジネスが生まれるかもしれない」とする。

 赤や黄、緑などパッチワークのように色分けされた農地。人工衛星の観測データを解析した画像だ。衛星から異なる波長の光を照射して土壌の肥沃(ひよく)度や作物の成長度合いを識別し、色分けして表示している。

 「衛星データに地上での作業などのデータを補足すると、どの畑でどんな質の作物がいつ収穫できるかの予測が可能になる」。丹波市に支社を開設した東京のベンチャー企業「うちゅう」最高経営責任者(CEO)の坪井俊輔さん(23)は、農地管理アプリ「SAgri(サグリ)」の有用性を指摘する。

 6月、丹波市青垣町の農家、堀謙吾さん(50)の事務所で同アプリの説明会を開いた。堀さんがグーグルマップ上で自身の農地を選び、区画ごとのカレンダーに作物や肥料の種類、その日の作業などを記録していく。そこへ必要に応じ、衛星データを反映させる。

 観測画像を解析すれば、土壌の色から肥料となる「腐植」の含有量が、作物の色からはタンパク量が推測できる。肥沃度合いや水分量、日射量など数十項目を可視化。実際の運用に向けて調整中だ。

 堀さんは約20ヘクタールの農地に従業員7人を抱える大規模農家。情報の一元化はもちろん、米や小豆の「おいしさ」が目に見えるようになるシステムについて「近年は米を売るにも付加価値が必要。自信を持って売り出せる」と期待する。

 こうした衛星による「リモートセンシング」技術は、作業効率の向上だけでなく品質の裏付けにもつながる。消費者自身がデータを見られるようにすれば「この区画の米を」といった注文も可能だ。

 経済産業省は本年度、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の観測衛星「だいち2号」の画像データなどを無償提供するシステムを整備する。ドローンの併用などにより、データに基づく「精密農業」にますます弾みがつきそうだ。

 サグリは現在、丹波市内の農家約20人が試行中だ。坪井さんは今後、近隣市町や近畿、四国などにも広げていきたいという。「丹波市の農家の経験と蓄積に、宇宙から情報を加えてよりよい農業を実現したい」と話した。