私がこのことについて考え始めたきっかけは、甲状腺乳頭癌というきわめて予後良好な癌を発症したことです。他の重篤な癌でお悩みの方からすれば、そんな私がいくら問題提起のようなことをしても説得力もなく、耳を傾けていただけないかもしれません。しかし、告知されてショックを受け、予後良好と知りはしたが、本当に『あと数年で死ぬのかもな(死は間近に設定されたかもしれない・死ぬかもしれなかったんだ)、なぜこうなったんだろう』という心になって、子らとの別れを思い涙し、やり尽くせなかった仕事について見切りを付けなければいけない(あ〜、短かったな…ここで手仕舞いか・・・)という諦念も持ち、それからあらゆる癌について調べまくったのは事実です。
そこで「発見」しました。私は、現在の「標準治療」はあくまでも現時点のものであり、いくつかの手術については実は「やり過ぎ」があることを。10年後、20年後というスパンで未来を見れば「標準治療」は変遷するものだということを。(事実、変遷してきた)ほとんどの患者は、外科医の説明に直感的に違和感を持っても異議を唱えられず、死期が早まるかもしれないという恐怖心が勝り、ただ従うしかないという現実なのではないでしょうか。
多くの癌手術に共通の『リンパ節郭清』がありますが、【これは本当に必要なのか、どの程度必要なのか】と疑問符を付ける観点から大いに患者や医学生の皆さんに論じていただきたいのです。トピックの作成をお願いします。
★「リンパ節郭清 合併症」で検索していただきますと、術後に苦しんでいらっしゃる皆さんの多くの情報が見られます。
医学生や高校生の皆さんは、「今出されている課題をやっつけて、既存の「標準治療」を頭にたたき込まなきゃドクターになれないんだよ! そんなことよりまずは自分の「成功」が第一なんだ! 逆らえばドクターとしてやっていけないんだよ!」とおっしゃらずに、今まだ何のしがらみもない時点で【不要なリンパ郭清はないか】を考えていただけないでしょうか? それは何より、今後の患者のためなのです。名誉欲や親に言われて医師になるのでなければ、単に命を救うという生存率の視点のみならず、『苦しみを和らげてあげたい』という本質の崇高な精神をお持ちのはずです。