少女純潔歌劇「LILIUM」は、早安少女組。。’14とスマイレージのメンバーが演じたアイドル歌劇の
最高傑作です。
ダンスが抜群に上手く、歌も舞台演技にも優れた「清楚な良家の令嬢キャラ」の鞘師里保と、
「イケメン男子少年キャラ」の工藤遥が実質的に「W主演」を演じました。
工藤遥は、男役で、宝塚歌劇団等では女性が男役を演じた事はありますが、20歳以上の大人の女優が男役を演じてきたのであり、
工藤遥のような女子中学生が男役を演じた事は、日本の芸能界では初めての快挙です。
工藤遥が演じる「ファルス」は、不老不死の体を持ち死ぬ事が不可能で3000年も生き続けてきた「バンプ」(吸血種)であり、
周囲の者が、次々と死んでいくのに自分だけは取り残されて生き続ける事に深刻な孤独感を抱いている美少年です。
彼は、孤独の苦しみから逃れるために、自分の血液から作った秘薬をバンプの少年・少女達に投与し、
不老不死の仲間を作ろうとしてきたのです。
しかし、それに反発した鞘師里保が演じる少女リリーが、秘薬によって老化が止まった少年・少女達を
皆殺しにします。
人間は死を恐れます。一般に、最も恐ろしいものは自分の死です。
すべての宗教は、死に対する恐怖から生まれたと言っても過言ではありません。
しかし、自分だけが永遠の生命を持ち、周囲の者の死によって永遠の孤独に陥る事も深刻な事態ではないでしょうか。
それゆえに、ファルスは、自分と同じように不老不死を生きる仲間を作ろうとしたのであり、
逆に、リリーは、不老不死の体になる事を拒絶したのです。
その対立が、この歌劇に悲劇的な「皆殺し」の結末を結果します。
最高権力者となった秦の始皇帝は、不老不死の秘薬を見るけるために奔走しました。
この不老不死と言う「人類永遠の課題」を「真正面から取り上げた」のが、この少女純潔歌劇「リリウム」です。
是非、「リリウム」を観て、「いつかは訪れる自分の死」について真剣に考察される事を希望します。
自分の肉体が、火葬場で焼却される日が必ず来る事を銘記して、ご覧ください。