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想天のヴァルキリア

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詳細 2013年1月10日 01:21更新

鈴鳴希望と祈莉親娘による魔族との争いが終結し、再び平穏を取り戻した人間界。



他種族とのその後も問題なく、実に平和な時が流れていった・・・・・・。




あの抗争から・・・・・・実に100年の月日が流れた。






平穏だった人間界に異変が起き始めた。



人間界の・・・・・・海の面積が広くなった。陸が沈んだのではない。海面が上がったのだ。
それは・・・・・・地球の温暖化が進んで、北極と南極の氷が溶け始めていたからだ・・・・・・。



人間界の・・・・・・空気が薄くなった。酸素を造る・・・・・・光合成をする植物が減った。人間達の森林伐採が進んだからだ。樹木を・・・・・自然を取り戻そうとしている世界規模の団体はあるが・・・・・・一部の・・・・・・心無い者達の秘密裏の伐採のせいで・・・・・・植えた樹木より苅られた樹木のほうが多かった訳ではない。切り倒すのは何分かだが、樹木が育つには何年もかかるからだ。そのせいで樹木は減っていっていた。



世界の砂漠の面積が広くなった。これも温暖化が進んだからである。



世界は緊急を要していた。世界の国々は協力し、この温暖化の阻止を計りはじめた。



世界の国々の協力は・・・・・・遅かった。ここからどうやって昔の気候を取り戻すか・・・・・混迷を極めていた。




この気候変化は・・・・・・割と最近の1年前から急速に速まった。




その理由とは・・・・・・。








人間界に常駐している精霊と呼ばれる目に見えない存在が減ったからである。


気候変化の影響で消滅していた。四大元素の精霊のバランスが崩れた。それがいきなりの気候変化をもたらしていた。



理由はもう一つあった。それは・・・・・・・・・・・・





精霊が人間を見限ったのだ。人への協力を止めたのも原因だった。人間への協力を止めた精霊達は秘密裏にある計画を進めていた。




精霊に見限られた人間達に変化が訪れた。




今まで様々な事で活躍していた異能者・・・・・・能力者達は・・・・・・能力を失っていた。


火や水、風などの四大元素を扱った能力が一切使えなくなっていた。これは割と能力者達の間でパニックになっていた。

パニックは数ヶ月後にさらに大きくなった。

次に・・・・・電撃を使っていた者達のカが失われた。


これにより・・・・・・能力者はほぼ無力と化したが、それは・・・・・魔力の行使により使用を行っていた魔導士達もそのカを失っていた。






様々な理由で混迷している人間界をよそに・・・・・・精霊達はある計画を進めていた。





それは・・・・・・




























精霊達は人間界を離れ、神の世界に集まっていた。精霊達は整列し、大きな輪となっていた。その中心には・・・・・・12の人の形を象った者達がいた。その者達も円を描くように輪になっている。そしてその2つの輪の中心に・・・・・・女性体の神がいた。女神だ。




中心の女神は周りを見渡して・・・・・・口を開いた。



「皆さんよく集まってくれましたね。私は前神王妃のティタニアです」



中心にいたのは・・・・・・神王妃であり、妖精女王のティタニアだった。

ティタニアは今現在は神王妃の座を娘のエステルに譲り渡し、夫のゼウスと共に隠居生活をしている。たまに人間界に訪れている。



今回の召集は元妖精女王ティタニアによるものだった。



そのティタニアの話はこうだ。




ここ近年、世界全体の異変についてと・・・・・・その原因について。



異変とその原因は・・・・・・特に議論する間でもなかった。





原因は人間の環境破壊によるもので精霊達の意見は一致した。ティタニアもそれに同意。



その上で・・・・・・ティタニアは精霊達に1つの提案をした。




その提案とは・・・・・・









『人間社会の崩壊』





だった。1度人間の文明を崩壊させ、太古の自然を取り戻そうという極端とも思える案を精霊達に提示した。その案は・・・・・・大半の賛成意見・・・・・・過半数以上を得て・・・・・実行に移される事になったのだった・・・・・。




そんな頃・・・・・・





神の世界の宮殿では・・・・・・王家の女性が、自室から謁見の間への渡り通路を駆けていた。



彼女は神皇女でルナといった。彼女は身の回りの世話をしてくれている世話役からとんでもない話を聞いて、母親のエステルの許へ向かっていた。そして謁見の間につくなりエステルに真意を問う事に。



謁見の間に正に走り込んだというルナに・・・・・・エステルとその夫のジーク(これは略称。本当はジークフリード)は互いに顔を見合わせてから・・・ルナにどうしたのかと聞いてきた。その時に・・・・・世話役から聞いた事を話した。



ルナの祖母にあたるティタニアが人間の文明の壊滅を謀っているという話を。



それについてのエステルの答えは・・・・・・肯定だった。


どうして止めないのかというルナの質問についてはジークフリードが答えた。



神は全てに平等であるべきで、人以外の声も聞かなければならない。今は動植物だけではなく、星そのものの問題として、人の文明の崩壊を決めたらしい。


エステルとジークフリードはさすがに極端でやりすぎだと進言はしたが、考えは変わらなかったらしい。


2人にティタニアや精霊が集まっている場所を訊くと、ルナは謁見の間を出て、その場所へ向かった。

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