☆★☆MIXIは、ちょっとしたきっかけで始まりました。☆★☆
気が付いてみると、「頚椎・腰椎の病気」とはどのようなものかを簡単に書いてみるようになり、その後「手術の動画」も入れようと思い、このような長い<自己紹介>になりました。
そして『現役の脳神経外科医であり管理人として、病気で苦しむ人のために作ったコミュニティ』として参加してみました。
【主病名】:頚椎症、頚椎症性脊髄症、頚椎椎間板ヘルニア、後縦靱帯骨化症(OPLL)、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア・・・などの疾患に対応しています。
後ろの方に参考になる<ホームページのリンク>などを掲載していますので参考にして下さい。
但し、始めたばかりなので、このコミュニティ自体がどのようになっていくのか、良く分かりませんが・・・
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脳神経外科を長年やっています。
<日本脳神経外科学会 専門医><日本脊髄外科学会 認定医>です。
最近(平成15年7月〜)、頚椎・腰椎疾患の手術を、別の言い方で言えば「サブ・スペシャリティ」としてやっています。
脳神経外科と言えば、脳の事しかしていないように聞こえますが、脳の後に神経外科がついているでしょ・・・
・・・昨今の脳神経外科は、脳だけを手術しているわけではないんです。脊髄に関しても手術をする施設が増えています。欧米では、当たり前のように神経外科医が手術をやっていますが・・・
その他にも「血管内手術」など脳梗塞の治療(血栓溶解術)やクモ膜下出血(脳動脈瘤)、AVM(脳動静脈奇形)などの際のコイル塞栓術(血管内手術)などを専門的にするような時代へと変化してきています。
腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症、頚椎症性脊髄症・・・などの疾患の方は、整形外科もいいですが、脳神経外科も選択肢の一つとなってきています・・・
※腰椎椎間板ヘルニアの手術について平成19年2月26日朝刊「朝日新聞」に載っていました。
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※更新:平成22年12月5日朝刊「読売新聞」に載っていました。
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そこで<MIXI>を通じてですが、「頚椎・腰椎疾患」で悩み、苦しんでいる方が大勢おられる事がわかったのでわかりやすく書いてみました。少しでも参考にしていただければと思います。
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< 腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症などの手術について>
手術の方法ですが、内視鏡を使用する方法と顕微鏡を使用する方法との違いをわかりやすく説明します。
(1)内視鏡を使用する方法(MED : MicroEndoscopic Disectomy)
いわゆる皮膚切開は約2.5cmぐらいですが、手術をする時は、内視鏡の画面(モニター/まあテレビの事ですが)を見ながら手術をします。ですから2次元であって立体では見えません。手術操作には、ある程度の経験と慣れが必要です。立体感がないので手術がやりにくいです。顕微鏡の操作に慣れ親しんでる者にとっては・・・
(2)顕微鏡を使用する方法(Micro Love法)
いわゆる皮膚切開は、約3cmぐらいです。手術は、脳の手術をする時に使う顕微鏡を使うので立体的(3次元)に見えます。ですから神経や周りの組織を傷つけない様にしながら、繊細な手術をすることが可能です。また、脳の手術を長年にわたり行っているため顕微鏡の操作には、非常に慣れていますし、手術操作も繊細かつ安全に行うことができます。
(3)肉眼でする方法(いわゆるLove法です)・・・従来の方法です。
皮膚切開は、顕微鏡のほぼ3倍程度は必要です。ですから手術後の創部痛が強いです。内視鏡・顕微鏡下で行った場合、リハビリの必要はほとんど無くなく皆さん翌日から歩いてます。
また、肉眼でしますので、神経根の細かい部分は非常に見にくいと思います。顕微鏡下でも見にくい事がありますから・・・まして肉眼では、と思ってしまうのですが・・・手術の内容としては、同じ事をしているのですが・・・
そう言う事もあって、患者さんからすれば、思ったより良くならない、かえって悪くなったと言う方がおられます。最近では、色々と患者さんどうしから聞いて私の所で再手術をする事により満足された方もおられます。
そういう意味からも、手術をするのであればそれなりの実績があり、実際手術をされた方の意見などを聞いた上で納得された上で手術をされた方がいいと思います。
本当に色々な患者さんがいます。
パーキンソン病と言われていた患者さんが、実は頚椎の病気であり頚椎の手術をする事により良くなった・・・
脳梗塞の患者さんが、最近歩きにくくなった・・・かかりつけの病院では、脳梗塞のせいだと言われ続けていたところ、実は半身麻痺のために歩行姿勢が悪く腰部脊柱管狭窄症が原因となっていて、それに対する手術をする事により麻痺は、治りませんが本当に歩きやすくなった・・・
現実の話としては、患者さんの訴えに対して何が原因であるかと言う事を的確に診断をしてあげれるかどうかがその患者さんにとってこれから先の人生が変わってくると言う事だと思います・・・
(4)再手術の場合について
特に腰椎疾患の場合、一度手術を施行したんだけれども、いまひとつ良くならないなどの症状を訴えて来られる場合が最近増えてきました。
そういう方の再手術をしてみて感じた事は、いわゆる硬膜管に対しては手術操作が加えられているが、神経根に対しては、ほとんど手付かずの状態でした。即ち、神経根を慎重に剥離をして除圧していくと周囲との癒着がほとんど認められないという事です。腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などの神経症状を改善させるためには、神経根の圧迫を充分にとってあげないと良くなりません。それだけやっても痛みは良くなったが、痺れ・違和感が、しばらく続くっていう方がおられるのも事実です。
最初の手術の際に神経根の除圧が充分に行われていないために症状の改善が思わしくないという印象を受けています。
基本的には、手術は最初が肝心なのであって再手術をできる限り避けるような手術であるべきなのです。一期一会じゃないですが、初回で治してもらうのが一番いいのです。って言いながらも再手術が避けられない場合も稀にはあるのも事実です。その際、手術方法が片側進入で行われた場合は、対側が触られていない為まだ次の手術操作に余裕が出てくると思いますがっていうが私の思っているところですが。
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<我々の脊椎・脊髄手術の特徴>
本邦では従来から脊椎・脊髄疾患は整形外科が扱う病気とされてきました。
一方欧米では脊椎・脊髄疾患は神経外科医が扱う病気とされ、神経外科手術の半数を脊椎・脊髄の手術が占めています。
楽界の帝王と呼ばれた指揮者、故ヘルベルト・フォン・カラヤンが腰椎の椎間板ヘルニアを患った時、ドイツの神経外科医マハジッド・サミィ博士が手術を行いました。
脊椎・脊髄手術の主要な目的は、痺れ、痛みや麻痺の原因となっている神経の圧迫を取り除くことにあり、脳・脊髄・神経を扱い慣れている、神経外科医がこれに熱心に取り組むことは当然のことです。
我々脳神経外科医は殆ど全ての手術を手術用顕微鏡や内視鏡を用いたマイクロサージャリーで行っています。
病変部を大きく拡大した明るい術野で、神経を直視しながら緻密な器械を用いて手術を行います。
(1)神経を直視しながら手術を行うので神経を損傷して、合併症を起こすことが殆どありません。
(2)当然、手術創は小さく、大きな手術痕を残しません。
(3)脊椎の支持組織である筋肉、靭帯を出来る限り温存し、骨の切除も最小限度に留めますから、術後の痛みが軽く、翌朝には歩行が可能です。
(4)従って入院期間は7〜10日間と短期間になり、早期に社会復帰が可能です。
脳神経外科医が腰のヘルニアの手術をすることに違和感を感じられる方もおられるでしょうが、手術の目的が痛みの原因となっている神経の圧迫を取り除くことを考えれぱ納得されるのではないでしょうか。特に日常的に脳の手術に用いている顕微鏡を用いることにより、小さな皮膚の切開(1カ所であれば3cm程度)で行え、両側に症状がある場合でも片側から両側の神経の圧迫を 取ることができます。その結果、手術の際に切開する筋肉や靱帯の範囲が最小限ですみ、翌日から歩行、術後1週間程度で退院、仕事はデスクワークなら術後2週間程度、腰に負担のかかる仕事は術後1ヶ月程度で復帰できます。また、 椎間板ヘルニアの患者様であっても分厚くなった骨や靱帯が神経を圧迫している場合が多いのですが、顕微鏡を用いれぱ何が圧迫していても目で見て圧迫しているものを取り除くことができますので効果がより確実になります。この治療は健康保険がききます。
また、腰椎にズレが生じる腰椎すべり症でも顕微鏡手術で神経の圧迫を取ることのみで症状が取れる場合もあり、金属で腰椎をズレないようにがっちり留めてしまう固定術が必要ない場合もあります。
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<頚椎変性疾患の治療法>
頚椎変性疾患の治療法は、脊髄症では、脊髄の減圧を目的とした手術を、症状が進行し過ぎないうちに受けることが望ましいと言われています。進行し過ぎると手術を受けても、十分に症状が改善しにくいためです。
手術法は、脊髄への前方からの圧迫が強い場合、あるいは頚椎が後彎変形している場合には、前から頚部を切開する前方アプローチが一般的に行われます。それ以外の多くの場合には頚部背面正中を切開する後方アプローチが行われています。
神経根症では、最初は保存的に治療します。保存的治療にはネックカラーなどによる頚部の安静、牽引、温熱療法、低周波治療、並びに消炎鎮痛剤投与などがあります。
かなりのひとはこの治療法により改善します。このような保存的治療を行っても改善をしないひとや、症状を繰り返すひと、痛みが強いため著しく日常生活が障害されているひとは手術適応と考えられます。
<腰椎変性疾患の治療法>
腰椎変性疾患の治療法は、最初は保存的に治療します。保存的治療には、安静臥床、コルセットなどによる固定、腰椎牽引、腰部を暖める温熱療法、低周波治療、並びに消炎鎮痛剤や神経根の血流改善剤を用いた薬物療法が行われます。約2〜3ヶ月間行っても十分に改善しないひとや、運動障害が進行するひと、いったん改善しても症状が繰り返すひとは手術適応と考えられます。
☆☆☆<各疾患に対する説明・治療法など>☆☆☆
下記のリンク(日本脊椎脊髄病学会(整形外科)のホームページ)にある「脊椎脊髄疾患」に症状・疾患・治療法などが、整形外科的に詳しく書いてあります。結構参考になります。
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脳神経外科が、「頚椎・腰椎疾患」の手術を積極的に行っている施設の紹介。私とお付き合いのある先生が手術をしている施設です。
すべて、日本脳神経外科学会の専門医が行っています。
※阪和記念病院(大阪)…平成20年11月1日から「脊椎・脊髄センター」の部長として赴任します。今まで培ってきた「頚椎・脊髄疾患」に対して湯口先生と相談しながらよリ一層患者さまの苦痛から少しでも和らげる方法を探し出して患者様ともに今の苦痛から少しでも緩和できる方法を見つけたいと思っています。
<私のホームページです>
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※笹生病院(西宮)…私はいなくなりますが、もう一人の田村先生も「脊椎・脊髄疾患」の手術には熱心ですので、手術には必ず付き合うようにします。そのために阪和記記念病院で私の枠をあけて笹生病院へ行けるようにしています。
※森迫脳神経外科(宝塚/山本)…私が笹生病院にいた時に短い期間でしたが、頚椎・腰椎疾患をお互い勉強した後、宝塚の「山本」で開業されました。私も隔週の土曜日などに今でも手術の手伝いに行っています。
これらの病院は、「大阪大学 脳神経外科」の関連病院です。
※これだけは言えることを書いておきます。
整形外科の医師が、「脊椎・脊髄疾患」を理解している医師がどれだけいるか・・・
また脳神経外科の医師が、「脊椎・脊髄疾患」を理解している医師がどれだけいるか・・・
と言いながら、私自身もまだまだよく分かっていませんが・・・
結局のところ、患者さんが医師を選ばなくてはいけなくなり、その事によりちゃんと診断され良くなる。逆に不幸な道を選んでしまう。それが、問題だと思っています。
※日本脊髄外科学会(脳神経外科)のホームページです。
脳神経外科医が手術を行っている病院を調べる事ができます。
また、一般患者の皆様へ「病気の解説と治療法のご紹介」が載っていて疾患別に色々と説明されています。
http://
※日本脊椎脊髄病学会(整形外科)のホームページです。
このたび一般の方々に向け、腰痛、肩こりなど日常生活で経験する頻度の高い症状とこうした症状を引き起こす代表的脊椎脊髄疾患を紹介するサイトを開設しました。
http://
※脊椎手術ドットコムのリンクです。
頚椎・腰椎に関するいろいろな情報が詳しく載っています。参考にして下さい。
http://
※脳神経外科疾患情報ページへのリンクです。
脊椎疾患の他に、脳神経外科疾患の色々な説明などがメニューの「一般向け情報」に載っています。
http://
※医療情報サービス(Minds)
色々な疾患について調べる事ができます。
http://
※久光製薬株式会社の『腰痛・ONLINE』です。かなり参考になると思います。
http://
※椎間板ヘルニア 病院・手術選びのポイント
最近、見つけたサイトです。結構参考になる事が書いてあります。
http://
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<手術の実際と結果など・・・>
(1)手術の実際(内視鏡的)・・・腰椎椎間板ヘルニア
http://
(1-1)腰椎椎間板ヘルニア(顕微鏡的)の手術ビデオ
http://
(2)手術の実際(顕微鏡的)・・・腰部脊柱管狭窄症
http://
(3)手術の実際・・・頚椎症(前方固定術)前方アプローチ
http://
(3−1)手術の実際・・・頚椎症(前方固定術)No.2
http://
(3−2)前方固定術の手術ビデオ
http://
(4)手術の実際・・・頚椎症(椎弓形成術)後方アプローチ
http://
(4−1)椎弓形成術の手術ビデオ
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(5)レーザーによる経皮的髄核減圧術(PLDD)について
http://
(6)手術の現状と結果
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(7)頚椎・腰椎疾患への取り組み
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(8)検査の実際・・・MRI・脊髄腔造影検査(ミエロ)
http://
(9)神経学的所見について・・・身体のどの領域に症状が現れるのでしょうか。一度御自身で確かめて下さい。
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(10)「実力医の履歴書」
※「実力医の履歴書」という本にも載せていただきました。
http://
(11)Q&A
?「脊椎・脊髄疾患」の手術及び入院費用について
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?脊髄疾患の術前・術後のリハビリテーションについて
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(12)手術件数
平成21年度総手術件数_360件
頚椎前方固定術・・・13例
頚椎椎弓形成術・・・41例
腰椎開窓ヘルニア摘出術・・・26例
腰椎開窓減圧術・・・94例
腰椎後方固定術・・・16例
経皮的椎体形成術・・・19例
※手術件数の推移です。(参考まで・・・)
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※「足あと帳」を作ってみました。※
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※質問(疑問など)があれば、「メッセージ」でも「足あと帳」にでも送っていただければ、わかる範囲内でお答えもしてます。
※「足あと帳」Part2です。200件以上書けないようなので作りました。
また何でも書きこんで下さい。
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※「足あと帳」Part3です
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困ったときには