2009年トカラ列島の皆既日食以降、26年ぶりに日本で見られる皆既日食です。皆既帯の幅が最も広くなるのは日本のはるか東南東海上で、その幅は116.3Km、皆既継続時間は2分54秒しかありません。日本では能登半島〜富山〜上越〜群馬〜水戸を通り九十九里浜に抜ける。皆既帯が通らない他の地域でも、日本各地で90%を超えるような非常に大きな食分となる部分日食を楽しむことができる
「皆既日食は人生を変える」とか「人生観を変える」という人がいる。日本の日食ハンターで映像作家のゴルゴ内藤は 『日本皆既日食列島』の中で皆既日食についてこう語っている。
「月と太陽がぴったりと重なり、夜でも昼でも夕方でもない暗闇が訪れた瞬間、すべてを包み込んでいた大宇宙がその本当の姿を現す。カーテンがサーっと開かれたように、あるいはテレビを見ていた自分が一瞬にしてテレビ画面の内側に入り込んで外の世界を覗き見ているかのように‥‥、同じ場所にいながらまったく別次元の時空に瞬間移動してしまう! 普段おれたちは地球の上に生きている。まるで自分たちが主役かのように厚かましく生きている。舞台で演じているのは自分たちだと思って得意顔だ。だが幕が開いたその瞬間、おれたちは思い知らされる。自分たちが立っていたのは客席側だったということを。幕の向こう側では無限の宇宙が、とてつもないスケールの奇跡を溢れさせながら遥か永遠のときを刻み続けていたんだということを」。
「宇宙」は無限に広がっているということは、既にみんな知っているだろう。今さら何を言い出すんだ!って言う人もいるに違いない。さらに「宇宙」という概念の元では我々はとてもちっぽけな存在で、人の一生なんてほんの一瞬のできごとにすぎない。従ってそんな小さなことにくよくよすることはない、という論理で大いに励まされた人もいるだろう。我々が存在する、地球をでさえも、そのちっぽけな一部であると感じさせてしまう、大宇宙が作り出す壮大なスケールの奇跡、見た人すべてを異口同音に「凄い」と言わしめてしまう皆既日食。人生の時間をちょっとお休みして、どこでもいいから皆既日食ラインの下に、みんなで出かけよう!きっと何かが変わるはずだ!
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