砂の下深くを流れてゆく水脈の、涼しげな音。
この乾ききった砂漠のなかで、文字どおり命綱となる遠い水音だ。
それらはどれも、愛しい者たちのからだを流れる血潮に似て、
みずみずしく、力強く、命の鼓動と絡みあうように響き続ける。
僕は、その音を聴く。その音に、なる。
遥か深くを流れる水の音と一体になって、懐かしいひとたちのもとへ帰る。還る
/本文より
イスラムの文化、モロッコの乾いた情景、4人の砂漠に行きつくまでの想い
などなど、魅力にあふれた小説「遥かなる水の音」を、愛してやまない人のためのコミュです
村山由佳著
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