起源 ムラサキ科のムラサキの根。「硬紫根」と称します。
産地 中国 (東北諸省、甘粛、山東、山西、河南省など) 、韓国、日本(長野、北海道) 。
成分 ナフトキノン誘導体のシコニン、デオキシコニン、アセチルシコニンなどを含む。
薬理作用 発情期抑制、排精子抑制、抗菌 (グラム陽性・陰性菌、真菌) 。抗炎症 (シコニン誘導体) 。シコニン、アセチルシコニンには抗炎症、肉芽促進作用などの創傷治癒促進作用があり、紫根の抽出液には抗菌、抗浮腫作用がある。又近年、抗腫瘍作用が注目され絨毛上皮腫や白血病、乳がんなどの臨床応用に研究されている。漢方では清熱涼血・解毒の効があり、水痘や麻疹の初期の発疹が出きらないとき、紫斑、黄疸、吐血、鼻血、血尿、腫れ物などに用いる。近年では麻疹の予防や肝炎の治療に用いている。また湿疹や外陰部の炎症に外用する。紫根を主剤にした紫雲膏は火傷や凍瘡、痔などの外用薬として有名である。
応用 解熱、解毒、消炎薬として、腫瘍、火傷、凍傷、湿疹、水泡、痔疾などに外用する。麻疹予防に内服する。日本ではムラサキの根は天平の頃から紫色の染色に用いられ、江戸時代に江戸紫として有名であった
困ったときには