2010年6月10日午後7時30分
私は、一人、那覇市メインプレイスに佇んでいた。
ひどく空腹である。
当然の如く、金銭は持ち合わせていない。
頼れるものもいない中、私はこの飢えをどう凌ぐか考えていた。
無闇に動く事は体内の熱量(カロリー)を無駄に消費することとなり、ヒットポイント(HP)がレッドゲージに達している今、私の行動は制限されているといっていい状況であった。
しかし、私には考えがあった。
「食品売り場に行けば、試食コーナーがあるはず!!」
私の足は一直線に食品売り場へと歩き出していた。
この極限状態の中、そして私はあの食材に出会ったのだった。
『塩ホルモン』
これまで、私はさほどホルモン焼きというもの美味さを理解できていなかった。
しかし、この日食べたその味はこれまで食べたどのホルモンよりも格別であったのだ。
味はもとより、いくら噛んでも噛んでも、なかなか噛み切れないその逞しさが私を奮い立たせ、そしてまた、ガムのように噛み続けられることで、空腹感を紛らわすにはうってつけであったのだ。
この瞬間、私はホルモンに対する価値観が変わったのだった…。
*当コミュニティはマキシマムザホルモンというバンドとは一切関係ありません