名称
ヤマノイモ科ヤマノイモ 別名・ジネンジョ、ヤマイモ
栽培されている長芋やイチョウ芋、大和芋などをまとめてヤマイモと呼ぶこともあるが、こちらはヤマノイモ、山に自生するジネンジョのことである。栽培されているものは、中世頃に中国から日本に伝来したもので、ヤマノイモ(自然薯)とは違う。ヤマノイモは日本原産の野生種で山菜の王者と呼ばれ古来より親しまれてきました。春には新芽、秋から冬にかけてムカゴとイモを採取する。イモは粘りが強く、とろろめしは、格別である。
自然薯の健康効果
自然薯の大きな特色は、良質の澱粉質に加え、アミラーゼなどの酵素がたくさん含まれていて、食べたものを速やかに消化吸収する作用があります。胃がもたれても、とろろを食べればいつのまにかさっぱりしてしまいます。また、カルシウム、鉄分、リン等のミネラルやビタミン類も豊富で、新陳代謝や細胞の増殖機能を促進する作用も著しく、疲労回復、成人病、ガンや糖尿病予防にも効果があると言われます。古来より精のつく滋養強壮食として一般に用いられてきた他、漢方薬でも“山薬”“じょよ”と称し珍重されてきました。また、最近になって自然薯にだけ含まれるディオスゲニンと言う物質が、若さの維持やホルモンバランスに関係しているDHEAを増やす役割があるということも分かってきました。
DHEAとは神経ホルモンの一種で脳内の神経細胞の情報伝達に関与し、神経伝達物質ドーパミンを適切な量に戻したり、ホルモンの分泌を促進させる効果があります。
見分け方
山中の雑木林ややぶ、荒地に生えるつる性の多年草。葉は先のとがった細長い心臓型で、長さは6〜10センチ。5センチほどの葉柄があり、茎に対生する。夏に葉の付け根から花穂を出し、白色の小花を多数つける。雌雄異株で、雌花は垂れ下がり、雄花の穂は立ち上がる。秋に、葉の付け根に直径1センチほどのムカゴをつける。地下には塊根がある。5年くらいした自然薯は、多少よじれながら地下深く伸びて、しだいに太くなり、長さ1メートルを越すものもある。春になるとイモの頂端から発芽して、夏までにはイモの養分は使い果たされるが、新たにより大きなイモが晩秋までに育つ。
間違いやすい植物
苦いトコロ(オニドコロ)がある。葉が自然薯より若干丸くまた互生している。