東京という街はヨーロッパの街と異なり、近代において二度の大規模被災を経験していることは誰もが知るところ。第二次大戦前の建築物が残っているのは、それだけで珍しい。明治初期のレンガ蔵と来れば尚更。レンガ蔵で一杯やろうと思い立ったら、このバー以外にあるのだろうか。やや古い建物が散見される界隈ながら、その中でも一際異彩を放つ。
剛健な蔵の引き戸を開けると、左手にカウンター席。右手には大テーブルを囲む形で9席のレイアウト。手作りというスピーカーから、その日は心地良いボサノバが流れていた。すでに営業開始から30年は経っていると聞いた。
メニューはそれほど豊富ではない。ちょっとしたウィスキーがメイン。しかし、それぞれボトルキープが可能で、常連も多い。時折訪れるだけでも、ハイボールでのんびり眠くなるまで店内を隅々まで眺めるのも悪くない。
その空間だけで、これだけ価値のあるバー、ちょっとない。
東京都台東区上野1-3-3
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2階の、イベントスペースをお使いの方は
イベントを立ち上げていただいて
告知スペースとして是非お使いください