明治期、外国人が日本人の藍染めの服を見て「ジャパン・ブルー」と称賛した藍色(Indigo)
実はアジアやアフリカ、欧州、南米等でも愛された“世界の色”だ。
藍は木綿や絹、麻等染める相手を選ばないからだという。
また、古くは中国でも虫除けや解毒等にも用いられてたほか、中世の日本では濃い藍色を褐色(かちいろ)といい、それを「勝色」と呼んで好んでいたという。
そんな藍にもよく保つには温度管理や酸化防止等苦労が絶えない。
その大変さを知ってか知らずか、人々は紺屋(こうや)と呼ばれる藍染めの職人に対し、「紺屋の白袴(しろはかま)」と言った。他人のためにばかり忙しくし、自分の袴を染める暇がない、と。
が、一説には白い袴に染料を一滴も付けないほど慎重に染めた職人の誇りを表わしている、とも。
美しい藍染は、そんな労作の賜物なのだ。
見えないところで発酵は進み、染め重ねてこそ幸福の色は褪せない。
そして、年を経るごとに、風格と光沢を増していく。
困ったときには