「自転車力」とは私の造語ですが、長い距離を走れたり、高い峠を上れたりする力(走力)と自らランを企画し、適切なコースを選べる力(計画力)、自転車の修理やメンテナンスをする力(整備力)の3つの力を合わせたものだと定義しておきます。
自転車に乗る上ではこの3つの力が重要になってきますが、3つの力といってもこれらの力がそれぞれ独立して存在しているわけではありません。3つの力は相互に有機的に結びついているのです。例えば、計画力があれば走力のない人でも遠くまで行くことが出来るでしょう。逆に計画力のなさを走力でカバーすることも可能です。また、しっかりと整備された自転車とそうでない自転車では走力面において差が出てくるはずです。空気圧の不十分な自転車ではなかなか進みませんよね。
自転車に乗るとなるとどうも走力に目がいきがちです。「○○峠を制覇した!」「俺は○○まで1日で行ける!」などなど。確かに走力は自転車に乗る上で中心となる力ですが、われわれが目指すべきはあくまで総合力の向上。つまり、自転車力の向上であるべきなのです。3つの力をバランスよく身につけること、それがこれからの時代大切になってくるのではないでしょうか。
加えて、もう一つ忘れてはいけないのが「安全面の管理」です。道路を走る自転車にとって事故はつきものです。自転車の事故は大きい小さいあれども、毎日、毎分、世界中で起こっています。あなたが今このページを見ている間にも事故は起こっているのです。先ほど、事故はつきものといいました。しかし、それは事故が起こってもしょうがないと言いたいわけではありません。事故は避けるべきものです。事故は恥ずべきものです。われわれは常に事故のリスクと隣り合わせにあることを忘れてはいけません。今まで多くの同胞たちがその尊い命を自転車の事故で失ってきました。われわれは過去の経験から学ばなければなりません。
旅を愛し、自転車を愛するすべてに人々に、私はこの「自転車力」+「安全」の理念を広めていきたいと思います。
(2009年8月19日 ‘超’会長Y )