●オリゲネスはいっさいの神学的原点に屹立する最初の思想者となった。ヒエロニムスもアンブロシウスも、アウグスティヌスもロレンツォ・ヴァラもエラスムスさえも、すべてはオリゲネスが源流なのである。
★【オリゲネス】( Origenes Adamantius 182年?-251年)は古代キリスト教最大の神学者。いわゆるギリシア教父とよばれる神学者群の一人で、アレクサンドリア学派といわれるグループの代表的存在。『諸原理について』(De Principiis)など膨大な著作を著したが、死後異端の疑惑をかけられたため、多くの著作が処分された。キリスト教の教義学を初めて確立し、その後の西欧思想史に大きな影響を与えたと評される。(wikipediaより)
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●「全ヨーロッパの思想はすべからくプラトンとオリゲネスの注解にすぎない」あるいは「ヨーロッパ2000年の哲学史はプラトンの註にすぎないが、ヨーロッパ2000年の思想はすべてオリゲネスが用意した」などと、ヨーロッパ思想史のどんな本の冒頭にも書かれている。
●オリゲネスは、生涯に2000冊の本を書いたといわれます。
●輪廻転生説はインドで伝統的にあったが、インドでは輪廻からの解放が求められるのみで、輪廻が進化のためポジティブな意味を持ちうるという発想は、なかったのである。つまり輪廻転生説と霊的進化論はインドではむすびついていなかった。
過去に、この二つが結びついていた思想は、オリゲネスの神学思想のみであった。オリゲネスはローマ時代の人であるが、宇宙は「学校」であり、輪廻を通して魂は進歩していく、と考えていた。
●聖書解釈との関連で霊を問題にしたオリゲネスは、三重の聖書解釈を説いた。オリゲネスによれば聖書には肉体
的、魂的、霊的という三通りの把握が可能であった。肉体的把握とは訓話学的解釈のことであり、そして道徳的、アレゴ
リー的なのが魂的把握である。これに対し、霊的把握は「永遠の福音」を明らかにするというのである。「聖書の言葉は一一一
つの仕方のいずれかで魂に印される。……人間が体と魂と霊によって構成されているように、人間の救いのために神の賜物として』うえられた聖書も同様の仕方で構成されている」(「諸原理について」)。つまり、オリゲネスにあっては人性三分説が聖書というテキストの読解と呼応していたのだった。
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