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赤毛のアン 〜闇〜

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詳細 2014年6月3日 03:45更新

     「赤毛のアン」のパロディ「赤毛の闇」コミュ

  清らかなアンの世界のちょうど反対側を書くお部屋です。完全にコミュ主の妄想の世界で健康的なアンの世界観を冒涜してしまっているので、どうぞ良い子の赤毛のアンファンの方は見ないで下さいませ。

   「 膨らんだ袖のドレス (部分) 」
     
レイチェル・リンド婦人は醜く太った女にありがちな、甲高くまくしたてるような早口でこう言った。
「ええいいですとも。マシュウ、あんたからそんな頼みをされたのは初めてだからねぇ。しかし正直、面食らっているわけなのさ。でもいいですよ。お引き受けしましょう。闇(アン)にとっておきのドレスを縫えばいいんですね。闇は何時もみすぼらしい格好をしているからね。ただ、あの頑固なマリアの事だから、闇に当世風のお洒落をさせてどうかなんて、他人のあたしは口が裂けても言えたものではないですよ。闇の躾けの事ではマリラは修道女以上のものを求めていますからね。だけど、マリラも女ならちぃとは闇ぐらいの年頃の女の子が、自分を着飾りたてる欲望・・・夢々しいフリルだのリボンのついた帽子だのサテンの衣擦れだのに、男の子とのロマンス以上に興味を抱いて頭の中がそればかりで夜もおちおち眠れないぐらいだって事、分かってる筈なんですがね。しかも、闇ときたらあの痩せっぽちの体に艶の無いねずみ色の生地のドレスを着ている様と言ったら、まったくもってあれはただ人型をした様子をしていればいいとばかりに十字に組んだ棒切れにズタ袋を通したカカシってもんですよ。闇もかわいそうに、マリラの切ない男性遍歴の犠牲を強いられて、本当に修道女になってしまいそうな勢いだねぇ・・・」
 自分の話口調にわざとらしい節をつけてクスクス笑いながら喋り続けるリンド婦人を遮ってマシュウはこう言った。
「そ、そうさな、あんたが・・・その・・・鼻持ちならないお喋り女だということは・・ちょいちょい・・・いや・・・以前から知っていたが、そのう無駄話を・・・辞めないと・・・そうさな・・・つまりそのう・・・さもないと・・・そうさな・・・喉を絞めて・・・いや・・・その、その袖を膨らませておいてほしいのさ。今風に袖を。」
 マシュウの言葉にリンド婦人は黙って、「しぶしぶ」引き受けた。正確に言うと引きうけざるを得なかったと言っていい。もっとも女から見て哀れを誘う闇のためには何かしらをしてやらねければ、というリンド婦人お得意のおせっかい心もあったが、マシュウ・カスバードとは波風を立てないほうが良いであろうと言うことは、今やアボンリー、いやプリンスエドワード島、全民の共通する意見なのである。マシュウ・カスバートは恐らく島一の小心者の女嫌いで、若干のドモリと痛風がそのいびつな人付き合いの悪い人格に拍車をかけているが、世間を憚る老人が隠し持つある部分には島民は無知であった。マシュウ・カスバートは、街路を歩く女性に挨拶をされただけで飛び上がるような男であるが、その反面、重病に犯されてさすらう事を余儀なくされた道端の弱者や卑しい商売を生業とするジプシーの類、いたいけない小動物などに対しては極めて尊大で情け容赦なく残忍さを発揮する性質らしく、先ごろも、皮膚を患った物乞いがアボンリーの公会堂に佇んで居たのを見て唾を吐いただの、カスバート家の敷地に迷い込んできた人懐っこいバリー家の犬を鋤で叩き付けて、首に縄をつけて引きずり回しただのという話が、センセーショナルな噂として島中を駆け巡っていた折でもあったので、リンド婦人は断る術を持たなかったのである。
 「あたしもドレスの出来不出来によっちゃあ、バリー家の犬のように・・・いやもっとそれ以上の仕打ちが・・・しかし闇のお洒落にあの堅物のマリラがどういった反応に出るか・・・これはなかなかどうしておもしろうそうな事になった!」

       以下はトピでどうぞ。
 

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