◎来獄者ヘ告グ
当監獄ハ、以下ノ条文及ビ各号ニ掲ゲル構成要件ニ該当スル罪ニツキ、自ラ自身ニ判決ヲ下シ或イハ社会カラ合理的判断ニ基ヅイテ判決ヲ言イ渡サレタ者ヲ収監シ、服役スル場所ニ定メラレタ施設デアル。
日本国ノ安全平和ノ為ニモ変態諸君ハ当監獄ニ集禁シテオクノガ適当デアルカラダ。言フマデモ無ク刑事法ニ基ヅク真ノ犯罪者或イハ犯罪性ノ有ル者ハ国ガ設置スル各刑務所ニ行クベキデアリ、当所ニハ収監シナイ事ヲ告知スル。又当所ハアダルト分類デモ無イ事ヲ承知ノ上服役スル事。以上。
【変態罪】
第1条 所謂広義ノ変態デアル者ハ15年未満ノ禁錮ニ処スル
(同幇助)
第2条 変態デアル者ノ思考ヲ助長シ、ソノ行動ヲ助ケタル者ハ8年未満ノ禁錮ニ処スル
【変態礼讃罪】
第3条 変態デアル者ニツキ其ノ存在及ビ行為ヲ称賛シ崇拝シタ者ハ5年未満ノ禁錮ニ処スル
【偽装変態罪】
第4条 変態デハナク、或イハ十分ナ変態性ガ無イニモ係ワラズ変態ヲ詐称シタ者ハ、真性変態鑑賞教育5年ニ処スル
【真性変態罪】
第5条 極度ノ変態性ヲ有シ其ノ人格ノ歪ミ著シイ者ハ無期又ハ20年未満ノ禁錮ニ処スル
(同幇助)
第6条 前条ノ幇助ニツイテハ第2条ノ規程ヲ準用スル
(同偽装)
第6条 第5条ノ偽装ニツイテハ第4条ノ規程ヲ準用スル
【変態妄想罪】
第7条 広義ノ変態ニ定義サレル類ノ妄想ヲシタ者ハ3年未満ノ禁錮ニ処スル
【睡眠時変態罪】
第8条 日常ハ変態デナイ者デアッテモ、睡眠時ニ変態的夢ヲ見タ者ハ6月未満ノ禁錮ニ処スル
【特定物執着崇拝罪】
第9条 特定ノ物質ニ執着シ、此レヲ蒐集、愛玩、崇拝スル等ノ行為ヲ為シタ者ハ5年未満ノ禁錮ニ処スル
(恋愛中ノ者ニ対スル特別規程)
第10条 前条ニオイテ恋愛中ノ相手ガ所有スル物品、身体ノ一部、排泄物等に対スルモノデアル場合ニツイテハ量刑ヲ加重スル
【自慰罪】
第11条 性的ナモノニ拠ラズトモ、自己ノ快楽ノ為ニ自己ヲ刺激シタル者ハ1年未満ノ禁錮ニ処スル
【加虐被虐愛嗜好罪】
第12条 加虐被虐ヲ問わず、愛ノ追求に於イテ倒錯シタ行動及ビ過程ヲ嗜好スル者ハ無期又ハ20年未満ノ禁錮ニ処スル
【排泄倒錯罪】
第13条 非変態者ガ社会一般通念的ニ日常行ッテイル排泄行為ト異ナル方法デ排泄又は其ノ準備ヲナシタ者ハ5年未満ノ禁錮トスル
【変態同一性不全悶々罪】
第14条 自身ガ変態デアルコトヲ社会ガ認知シナイコトニ不満ヲ感ジテイルモノノ此レヲ毅然ト主張セズ日々悶々トシテイル者ハ変態性強制告白ノ上、2年未満ノ禁錮トスル
<通則>
【未遂】
第1条 前条迄ノ罪ニ該当スル行為等ニ着手シタモノノ此レヲ遂ゲズ、或ヒハ自己ノ意志デ此レヲ止メタ場合ハ刑ヲ軽減スル
【併合】
第2条 2ツ以上ノ罪ガアルトキハ、ソノ刑ノ期間ニツイテ最モ重イモノヲ主刑トシテ期間ノ基トシ、以後ノ罪ニツイテソノ刑期ノ2分ノ1ヲコレニ加エタ期間トスル
【累犯】
第3条 刑期ヲ終了後、3日以内ニ罪ヲ犯した場合ハ累犯トシ刑ヲ加重スル
【追加】
第4条 第1条カラ第14条ノ外ニ変態的罪ヲ認知シタ者ハ、トピックニ申告ノ上新タニ追加スルコトガデキル
《入獄心得》
1 新タニ刑ニ服ス者ハ『新入者取調室』ニテ名前ト罪名、刑期ヲ申告スルコト
2 監獄ノ風紀ヲ健全ニ保チ、変態衆ガ安ンジテ服役デキルヨウニ自律スルコト
3 他ノ変態性ニ感染シ、悪化シタ場合モ当監獄ハ責任ヲ負ワナイ