間歇性外斜視
子供の共同性斜視の中で一番多い病気です。
共同性外斜視の90%がこの病気です。
◎症状
名前のとおり、まっすぐ見ている状態と斜視の状態が間歇的に現れる病態です。どの位の頻度でまっすぐ見ているか斜視になっているかは、その子によって様々で殆どまっすぐ見ている状態が多い場合(外斜位)もあれば、殆どずれっぱなし(恒常性外斜視)の場合もあります。生まれた直後はあまり気づかない事が多く、3,4歳くらいで顕著になってくる事が多いです。
まっすぐ見ている時でも片目を隠して検査をすれば、前に述べた外斜位の状態になっています。この為、外斜位−斜視とも言われます。斜視になるのは、眠い時やぼーっとしている時など、集中力がなく、両眼で見ようと努力していない時が多いです。
ある統計によると、間歇性外斜視の子供の20%は自然に軽快し、50%は大人になっても斜位−斜視の状態を保っている事ができ、残り30%がだんだんずれる頻度が多くなっていってずれっぱなしになってしまうと言われています。まっすぐ見ている時間帯があるので、弱視になったり両眼視機能の発達が遅れたりという事は少ない斜視です。もちろん、まっすぐ見ている事が全然なくなってずれっぱしになってしまうと弱視の危険や両眼視機能発達への悪影響があります。
◎原因
斜視全般について言えるのですが、まだよく分かっていない部分が多いです。生まれつき、眼を外側へ向ける筋肉(外直筋)に対し、外を向けるような刺激が出ているとも言われています。約半数に遺伝が関与していると言われています。実際に、親子や兄弟で斜視が見られる事があります。
◎治療
基本的には手術で筋肉のバランスをまっすぐに整える事が最終的な治療ですが、上記のように斜位でいられる間は視機能への影響はないですから、手術をせずに経過観察をする事も多いです。
まっすぐに見ていられる時間帯があっても、ずれる頻度が多いとか、親が気になるとか、他人に指摘されて本人が気にしているとか、そういう場合は手術を行う事もあります。ずれっぱなしになってしまうと弱視や両眼視機能の発達が遅れてしまいますので、速やかに手術を行う必要があります。
手術治療は、あまり小さいうちに行うと再発が多いと言われており、小学校入学前の年長さん〜小学校低学年で行う事が多いです。ただ、両眼視機能が良好に発達していれば大きくなってから手術をしても結果に差はなく、手遅れになる事はありません。
◎予後
両眼視機能が元々良好ですし、弱視になったり両眼視機能の発育が悪くなる事は殆どなく、斜視の中でも予後の良好な病態です。ただし、手術後に外斜視が再発する事が少なからずあります。だいたい2割くらいに手術後の戻り、再発が見られるとされています。このため、2回、3回と手術を受けなければいけない事があります。上述しましたが、あまり小さいうちに手術をすると再発率が高いと言われています。
これからお子様が手術を受ける方、
手術を悩んでいる方、
ご自身が手術を受ける&受けた方などなど…
色んな情報交換が出来るといいと思っています
※50%は遺伝もあるとか…真偽は不明です。