キャッチ・アズ・キャッチ・キャン(catch‐as‐catch‐can)
別名ランカシャースタイル・レスリング、イギリス北部のランカシャー地方で盛んだったスタイルで、通称で『キャッチ・アズ・キャッチ・キャン』と呼ばれる。
アイルランドのレスリングにその起源を持つといわれ、相手の両肩を地面、またはマットに着ける『ピン・フォール』、降参技で相手からギブアップを奪う『サブミッション・フォール』で勝負を決する。
本国イギリスでは「危険で野蛮なスタイル」とされ、ローカルレスリングのひとつに過ぎなかったが、ランカシャー地方からの移民者や、同地方出身のレスラーたちの渡米により、19世紀末のアメリカで人気となり、それまでの『グレコローマン』、『カラー・アンド・エルボー』にとって代わり、当地のプロレスの主流スタイルとなった。
20世紀に入り、逆輸入の形でアメリカのプロレスラー、ジャック・カーキークらによって、イギリスでも大きな会場で興行が打たれるようになり大人気となる。
アマレスの『フリー・スタイル』、そして現在のプロレスのベースとなったスタイルである。ちなみに第二次世界大戦以前のアマチュアの大会では、オリンピックも含みフリー・スタイルを『キャッチ・アズ・キャッチ・キャン・スタイル』と称していた。
その起源や黎明期のスタイル、ルールについては不明な点が多く、憶測の域を出ないものも含め、様々な説が存在する。