Jim Dine。
1935年
アメリカ、オハイオ州シンシナシティに生まれる。母方の祖父はポーランド人で木工道具店主。父も塗料や鉛管類の店をもち9歳〜18歳までそこで働く。
1953年
シンシナシティ大学で学ぶ。その後ボストン美術館大学、オハイオ州立大学で学ぶ。
1958年
ニューヨークに移住。
1959年
オルデンバーグと最初のハプニングを発表。
1962年
第3回東京国際版画ビエンナーレ展に出品。
<ニュー・リアリスト>展に出品。(シドニー・ジャニス画廊)
1967年
ロンドンに移住。ニューヨーク近代美術館、アムステルダム・ステデリック美術館で個展開催。
1968年
カッセル・ドクメンタに出品。
1970年
ホイットニー美術館で個展開催。
1978年
ニューヨーク近代美術館で個展開催。
1950年代末からニューヨークで活動を始めたジム・ダインは、まずアラン・カプローのハプニング運動にかかわり、『笑う人』や『カー・クラッシュ』などの作品を発表した。1960年代には、ロバート・ラウシェンバーグやジャスパー・ジョーンズらの影響を受け、日常的なオブジェをキャンバスに組み込んだコンパイン・ぺインティングを制作した。作品に登場する浴室、バス・ローブ、ネクタイや靴、大工道具といったオブジェやそのイメージから、彼はポップ・アートの作家とみなされるが、これらは大衆社会の図像というより、自己の日常を反映したものであり、多分に自伝的要素が強い。版画は最初のハプニングの記録として始められているが、その後コンパイン・ぺインティングと並行するように、バス・ローブや大工道具をテーマとしたリトグラフやエッチングが制作された。特に1967年以降は、版画、素描に集中し、版表現に新しい可能性を見いだしている。
ハートは彼の版画によく登場する記号だが、オブジェ化されたそのイメージは現代人の愛や心といったものに対する一種の諧謔でもあるようだ。