猪谷六合雄
いがや・くにお(1890ー1986)
1890(明治23)年生まれ。日本のスキー界の草分けであり、赤城山をはじめとした山々で、セフビルドによる山小屋や改造キャンピングカーで暮らした破格のDIYナチュラリスト。
赤城山頂の猪谷旅館に生まれる。六合(りくごう)とは東西南北と天地を含む宇宙を表す。25歳よりスキーを始める。作家・志賀直哉の依頼を受けて作った小屋に始まり、数々の山小屋を自作し住んだほか、ゲレンデやシャンツェを自ら設計。写真や文筆も嗜み、陶芸家バーナード・リーチほかの芸術家、文化人とも交流。スキーヤーとして活躍しながら、スキー学校も主宰。長男・千春(現・IOC副会長)にスキーの英才教育を施し、オリンピック・メダリストに育て上げた。著書に『雪に生きる』『雪に生きた八十年』など。86年没(享年95歳)。