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荒廃した壮大な邸宅の内で、片手にガラス玉を握り“バラのつぼみ”という最後の言葉を残し新聞王ケーンは死んだ。死後のケーンに与えられた賛否の声は数多かったが、ニュース記者トムスンは“バラのつぼみ”の中にケーンの真の人間性を解く鍵があると信じ彼の生涯に関係のある人々に会うことになった。
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英国映画協会で40年間連続第1位に選出され続けている名作。
いわゆる娯楽作品ではなくぱっと見た感じにそこまでのインパクトは無いかも。しかしとにかく“巧い”のだ。脚本、演技、カメラワーク、場面の構成、全体の構成。全てが完璧に近いクオリティである。後世に多大な影響を与えたというのは言い過ぎではない。
観た瞬間「すげーー!!!!」って作品ではないかもしれないが、いろんな意見を聞き、観れば観るほど味が出る。そんな作品。たとえば前半のテンポのよさと後半の重苦しい空気の対比、光の使い方、男の一生を2時間の中で十分に語る“説明”の巧みさ。あげればキリが無い。でもやっぱりこれだけは言っておきたい。『バラのつぼみ』というキーワードで観客を引き込み、最後まで放さない。そしてあのカタルシス。さすが40年連続ナンバーワン。
困ったときには