この地は大和の名門の豪族である鴨の一族の発祥の地で本社はその鴨族が守護神として斎きまつった社です。
「延喜式」神名帳によると、高鴨神社の正式の社名は、高鴨阿治須岐託彦根命神社で四座の神が祀られており、月次・相嘗・新嘗の祭には官幣に預る名神大社で、最高の社格をもつ神社でありました。
弥生中期、鴨族の一部はこの丘陵から大和平野の西南端今の御所市に移り、葛城川の岸辺に鴨都波神社をまつって水稲生活をはじめました。また東持田の地に移った一派も葛木御歳神社を中心に、同じく水稲耕作に入りました。そのため一般に本社を高鴨社、御歳神社を中鴨社、鴨都波神社を下鴨社と呼ぶようになりましたが、ともに鴨一族の神社です。
このほか鴨の一族はひろく全国に分布し、その地で鴨族の神を祀りました。賀茂(加茂・賀毛)を郡名にするものが安芸・播磨・美濃・三河・佐渡の国にみられ、郷村名にいたっては数十におよびます。中でも京都の賀茂大社は有名ですが、本社はそれら賀茂社の総社にあたります。
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