去年マリエンバートで
L'Année dernière à Marienbad
監督 アラン・レネ
製作 ピエール・クーロー
レイモン・フロマン
脚本 アラン・ロブ=グリエ
出演者 デルフィーヌ・セイリグ
音楽 フランシス・セイリグ
撮影 サッシャ・ヴィエルニ
編集 アンリ・コルピ
ジャスミーヌ・シャスネ
公開 1961年6月25日 (仏)
1964年5月2日 (日)
上映時間 94分
製作国 フランス・イタリア
言語 フランス語
去年マリエンバートで(L'Année dernière à Marienbad)は
アラン・ロブ=グリエ(Alain Robbe-Grillet)による脚本を
アラン・レネ(Alain Resnais)が監督した映画。
1961年、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞。
日本公開は1964年5月。
脚本のロブ=グリエ自身の言によれば、
黒澤明監督の『羅生門』に
触発されて作られた作品であるという。
より正確に言うならば、芥川龍之介の『藪の中』を
下敷きにした作品群の1つということになる。
ココ・シャネルが衣装をデザインしたことでも有名。
キャスト
A - デルフィーヌ・セイリグ
X - ジョルジュ・アルベルタッツィ
M - サッシャ・ピトエフ
淑女たち - フランソワーズ・ベルタン、
ルーチェ・ガルシア=ヴィレ、
エレナ・コルネル、
フランソワーズ・スピラ、
カリン・トゥーシュ=ミトラー
紳士たち - ピエール・バルボー、
ヴィルヘルム・フォン・デーク、
ジャン・ラニエ、ジェラール・ロラン、
ダビデ・モンテムーリ、ジル・ケアン、
ガブリエル・ヴェルナー
ストーリー
主人公の男Xは、女Aと再会する。
Xは去年マリエンバートで会ったと
語りかけるのだが、Aは記憶していない。
しかし、AはXの話を聞く内に、
おぼろげな記憶を取り戻していく。
Aの夫であるMは、「去年マリエンバートで」
実際に何が起こったのか知っているのだが・・・。
後年、脚本を担当したロブ=グリエが
この映画の仕掛けについて語っている。
それによると、黒沢明の『羅生門』が
モチーフとなっており、最初に、
1.現在
2.Xの回想(Xにとっての主観的事実)
3.Aの回想(Aにとっての主観的事実)
4.過去(客観的事実→Mの視点)
の4本の脚本が作られ、
それらをバラバラにつなぎ合わせて、
最終的な脚本が完成したという。
その際に、それぞれの場面が
1〜4のどの脚本に該当するのかが
なるべくわからないように慎重につなぎ合わされ
(時間軸の入れ替えも行われている)、
最終的に完成した脚本はダイヤグラムシートを伴う、
非常に複雑な物になった
(海外の研究書にはダイヤグラムシートを伴う
完成脚本が収録されている)。
さらに、このダイヤグラムシートは
一部のスタッフにしか知らされず、
そのため、出演者はしばしば
自分が何を演じたらいいのかわからず、
混乱状態に陥ったが、それも全て
内容をより効果的にするための計算であった。
ただ、服装やセットなどは
明確に1〜4の脚本で区別されていて、
注意深く見ればどの場面が
1〜4の脚本のどれに当たるか判別できる仕掛け。
結果として、ロブ=グリエ曰く
「非常に緻密に計算された作品で、
曖昧さのかけらもない」作品になった。
ロケ地
作品のロケ地はミュンヘン。
シュライスハイム城(Schloss Schleissheim)の
ノイエス・シュロス(新しい城、Neues Schloss)
現バイエルン州立美術館。
映画では、男の記憶内や、
額入りの写真として登場する
フレデリクスバートの庭園。
庭園にたたずむ人々の異様に長い影は
地面に描かれたものであった。
ニンフェンブルグ城(Schloss Nymphenburg)
主要な撮影が行われたロココの宮殿。
映画に登場する幾何学模様のフランス庭園もここ。
マリアンブルク(Amalienburg)
オープニングの独白シーンでここのシュピーゲルザール
(鏡の間、Spiegelsaal)の鏡を利用した。
また、男と女の最後の夜の演奏会のシーンもここ。
実際のマリエンバートは、
チェコ語でマリアーンスケー・ラーズニェ
(Marianske Lazne)といい、
プラハ西方約130km、カルロヴィ・ヴァリの
南にある温泉療養地。
本作品とは題名以外は無関係。
倉本聰の『昨日、悲別で』は、
類想の命名ではないかといわれる。
(1961) As ominous organ music resounds, the Scope camera tracks through the seemingly endless halls of a baroque grand hotel — alternately thronged with tuxedoes and gowns or echoingly deserted — as Giorgio Albertazzi tries to persuade an initially disbelieving Delphine Seyrig (in gowns by Chanel — Coco herself!) that they’d met the year before, even as the sepulchral Sacha Pitoëff (her husband?) hovers about, continually beating all comers in a kind of pick-up-sticks game. Simple enough, right? But as Albertazzi continues to repeat “Last year… ” each encounter takes place in different locations, in different costumes, the alterations not just coming from scene to scene but from shot to shot — at one point Seyrig seemingly steps forward in a perfect match cut despite spanning completely different sets — with his remembrances becoming more and more detailed and personal, amid actually mounting suspense, until the question becomes not only did it happen, but was it seduction or… ? All this as their fellow guests alternate among relatively realistic crowd scenes, poses frozen in place as the principals walk past them, and a de Chirico-like composition amid the lavish grounds where the people cast extremely long shadows but the shrubbery casts none. Perhaps the ultimate puzzle film, with dizzying time shifts and flashbacks, real or imagined—or are they shifts into the subjunctive? Possible solutions have included the Orpheus-Eurydice myth; a visualization of the process of psychoanalysis; or the whole as a kind of stream-of-consciousness of a single mind, encompassing truth, lies, and visualized whatifs. But the list could go on, and usually does, as vehement post-film discussions. Technically, however, it’s easy to agree that Marienbad is a tour de force, with Sacha Vierny’s lusciously velvet black and white photography of the incredibly lavish interior of — mainly — Nymphenburg castle in Bavaria; with the debuting Seyrig’s feathery peignoir probably an homage to Evelyn Brent in von Sternberg’s Underworld; and the horror film-worthy organ score by Seyrig’s brother Francis. With Oscar-nominated screenplay by nouveau roman titan Alain Robbe-Grillet, who now sits in the Académie Française. One of the most iconic and "referenced" art films of all time, Marienbad has been homaged in everything from Calvin Klein "Obsession" ads in the 80s, to Marc Jacobs' Fall 2007 collection, to British band Blur's music video "To the End."
A RIALTO PICTURES RELEASE.
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