2008年9月、1年余りの空白をへてパラ江が帰ってくる。
祝いだ。祭りだ。迎撃だ。
若い血潮が暴れくるうのだ。
私、慶子はこう考えている。
暴れたい奴が、遠慮せずに暴れられる環境があってもいい筈だ。
私、慶子はこうも考えている。
『誕生日は好きにしていい』と言われたら、真っ先に好きなことをすべきだ。
そしてパラ江の帰還の9月9日、19歳になる 「『後ろが楽しい』と書いて後楽園公衆便所のお慶」 こと慶子は宣言する。
「お前等全員、かかってキヤガレ!!」
んなワケでここは市民体育館(貸切)。
『慶子が誕生日パーティーを開く』と聞いて集まった一同は、彼女のそんな宣言に絶句した。
「デジャビューを感じる……」
「いや、なんか去年もあったよねこのノリ」
「つべこべ言うんじゃねえ!」
大型のハリセンで床を叩く慶子。
ドリフ的でコント的でそれでいてアニメ的な音が響き渡った。
もうこれくらったら星になれるかもわからんね!
「一年経ってみたが、やっぱ暴れ足りねえと思ってな。誕生日くらい好きにしろっつーから、こうして同じ気持ちの猛者どもを集めて一騒ぎしてみようかと」
猛者とか言うな。
「ルールは簡単だ。紅白に分かれて(ハリセンで)殴り合い、最後に立ってた奴のチームが勝ちだ。ちなみに慶子は紅チームな!」
「即決だよこの人!」
「でも誕生祭の主役が相手とは……」
にわかにざわめく一同。
「あー、わかったわかった。じゃあハンデをやるよ」
慶子紅チームの証、紅のハリセン。
それを掲げて、慶子はとんでもないことを言った。
「慶子を倒せたら、パラエ白チームの勝ち」
なんですって。
「ちょ、突如として慶子軍攻防戦に変わったぞ!」
「慶子が倒れるか、パラエ白チームが全滅するかの戦いじゃねえか!」
「いいじゃねえか、そんな細かいこたぁ……」
炎の女子大生、慶子。
あいも変わらず、炎のように笑って見せて。
獰猛な笑顔で。
豪快な笑顔で。
彼女は言った。
「年に一度のお祭り騒ぎだ。どいつもこいつも暴れ放題のバトルロワイヤルだ。やぼったいこと全部抜きだ。細かい前置きもすっとばせ。ラブもピースも置いて来い。要は……」
「ガタガタ言わずに、かかってキヤガレ!」
パラ江を囲む会、9月13日開催予定だぜ!
&、再度送り出す会(追いコン)、9月26日開催だぜ!
困ったときには