- 詳細 2022年4月15日 05:39更新
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范蠡（はんれい）は今から２５００年ぐらい前の古代中国、いわゆる春秋時代の越（えつ）国の人です。孔子や孫子と同時代の人になります〜。
越は同じく南方に興った呉と激しい争いを繰り広げます。この争いは「死者に鞭打つ」「臥薪嘗胆」「呉越同舟」などの名言を生み出した壮大なドラマです。『史記』などでも取り上げられてます〜。後漢時代には『呉越春秋』というお話にまとめられました。
伍子胥・孫武（孫子）を擁する呉の隆盛を前半とすると、後半は越王勾践（こうせん）、軍事の范蠡、内政の文種、絶世の美女西施（せいし、史記には登場しませんが）の越による呉の打倒ですね〜。
范蠡はその呉を滅す最大の立役者です。名将と呼ばれ、名軍師と呼ばれ、日本では忠臣として取り上げられた彼には、もう一つ大商人という別の顔があるんです。
呉を滅亡に追いやった後、范蠡はさっさと越の国を去ります。
「大名の下には以て久しく居り難し」
大きな名声を手に入れれば、それを保つことは難しいってことでしょうかね。その際、范蠡とともに越を支えた文種にこんな言葉を残しています
「飛鳥尽きて良弓蔵われ、狡兎死して走狗煮らるる」
この言葉は前漢建国の功臣でありながらついに粛清されてしまう国士無双といわれた韓信の話にも出てきますね〜。
飛ぶ鳥がいなくなれば良い弓もしまわれてしまい、ずる賢い兎が死ねば猟犬も煮て食われちゃう。つまり巨大すぎる功績によって自らの命も危うくなるということを予見した言葉です〜。もっとも文種は越にとどまり、勾践によって死を賜ることになるんですけど。
越を去った范蠡は斉の国に赴き、そこで名を変え農耕や交易によって財を築きます。
んで、その存在が知られるようになると斉の国の宰相として迎えられようとしました。（いや、なったのかな？）范蠡はそれを固辞し、財産を貧しい人や疎遠な親戚に分け与え他国に去っていきます〜。
今度は陶の地に移り、交易によって莫大な富を築きます。そして陶朱公（とうしゅこう）と呼ばれるようになるわけです。ところが、次男が処刑されるという事件が置き、供養のためまた財産を周囲に分け与えちゃいますね〜。
一から出直した范蠡でしたが再び財産を築きあげてしまうのです。よっぽど優れた経済感覚の持ち主だったんでしょうか〜。老後は悠々自適に暮らして彼の子孫もますます富を増やしたといいます。
中国では富豪のことを陶朱と呼ぶそうですが、その起源はこの故事からです。彼が残したと言われる商売に関する教訓が華僑の間で伝えられてるみたいです。その内容は大儲けというより堅実で信用を得ることを第一としています。クールで天才肌のイメージがありますが、けっこう努力家なんですよね〜。
日本では『太平記』という物語の中に呉越の話が登場します。後醍醐天皇が流罪になった時、家臣が「天、勾践を空しうするなかれ、時に范蠡なきにしもあらず」天が呉との戦いに敗れた勾践を見放さなかったように、時が来れば范蠡のような忠臣が現れますよと励ましたという逸話があるように忠臣としてのイメージが強い人です。戦前には教育で取り上げられかなりポピュラーな人だったみたいです。最後はさっさと去ってしまうので忠臣ってわけでもないような気もしますけど（汗）
まぁ中国には英雄・偉人が数多くいらっしゃいますが、范蠡の功績に関しては２人分みたいなもんです。ただなんせ時代が時代だけに伝説化して他の人の話が足されているんではなんて説もあるみたいです。実際のところ范蠡という人がそれだけの偉業を成したのか、実在の人物なのかどうかというところは微妙なんですよね〜。調べれば調べるほどそんな感じに。
と長々と書いてしまいましたが、専門家でもなんでもないので、詳しいことはあんまり分からないのです（汗）
興味がある人や詳しい方がいらっしゃいましたらどんどん参加していただけるとうれしいです〜。
別に呉越や春秋時代の話でも、中国の歴史のお話でも全然おっけ〜です。いろいろ広がってもいいかななんて。コミュもなかったんで作ってみました。
はじめましてはこちら
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