C型肝炎やいくつかの腫瘍への治療薬として使われるインターフェロン。
インターフェロンについてよく理解して、上手に付き合うことで、病気をもっと楽に克服しましょう。
注意:当方医者、専門家ではありません。ここに記述していることは、本やインターネット、文献等より抜粋、引用したものであり、専門的なご意見、また記述に対しての間違い等を見つけましたら、メールかもしくはコメントいただければと思います。
◇そもそもインターフェロンって何?
ウィルスに感染した細胞や微生物とその生産物など、身体に必要ないウィルスの増殖を阻止するために、身体の中でT細胞が放出する「ウィルス抑制因子」。
主にα型(アルファ)、β型(ベータ)、γ型(ガンマ)の3つのタイプがあり、産生細胞の種類はαが白血球、βが線維芽細胞、γが活性化リンパ球です。
簡単に説明すると体内のインターフェロンを増やし、ウィルスや癌細胞を破壊するNK細胞やマクロファージを活性化することで病気と闘います。
インターフェロンは外から増やす方法と内側から誘発する方法があります。
◇ちょっと古いですが、インターフェロン注射によるC型肝炎の治療実績(1996年のデータ)
1b型 2631人中
完全著効 470人(17.9%)
著効・有効 910人(34.6%)
不変 1251人(47.5%)
2a型 771人中
完全著効 491人(63.7%)
著効・有効 163人(21.1%)
不変 117人(15.2%)
2b型 288人中
完全著効 127人(44.1%)
著効・有効 83人(28.8%)
不変 78人(27.1%)
その他 168人中
完全著効 63人(37.5%)
著効・有効 45人(26.8%)
不変 60人(35.7%)
全体の完全著効 合計3858人中1256人 32.5%
日本人の7割が1b型。1b型の完全著効率は17.9%と低い。
次に多い2a型は完全著効率が高く、63.7%の方が完治している。
現在ではインターフェロン+リバビリン併用法やペグインターフェロンなど、より効果の高い治療方法もある。
◇インターフェロン注射の治療期間
通常、最初の2週間は入院し毎日注射。状態によっては通院。
その後、週3回の注射を3〜12ヶ月続ける。
※状態、体質、環境により人それぞれの誤差はある。
◇インターフェロン注射による副作用
初期症状(〜1週目)
発熱(38〜39度)、頭痛、頭重感、筋肉痛、関節痛、下痢、全身の倦怠感など
中期症状(2週目〜2ヶ月)
体重減少、吐き気、嘔吐、食欲不振、不眠、視力障害、皮疹、タンパク尿、抑うつ気分など
後期症状(2ヶ月〜)
不整脈、眼底出血、糖尿病の悪化、白血球の減少、血小板減少、全身の倦怠感、甲状腺機能異常、間質性肺炎など
個人差によって、副作用の強弱がある。また副作用による他の薬の併用や途中中断もある。
◇C型肝炎の患者数
無症候性キャリア(発症していない) 約70万人
C型肝炎 約90万人
肝硬変 約20万人
肝癌 約15000人
C型肝炎で悩んでいる人はたくさんいます。ひとりで悩まず、患者の会などのコミュニティに相談することもひとつの方法。
◇インターフェロンを内側から誘発する
インターフェロンを内側から誘発する有機ゲルマニウムを飲む治療方法もある。もともとインターフェロンは体内に存在するもので、ウィルスや癌細胞などを破壊するNK細胞やマクロファージを増やす役割をしている。有機ゲルマニウムは自己治癒力を活性化させ、体内でインターフェロンを増やす。
現在B型肝炎の治療薬として、セロシオンというプロパゲルマニウムカプセルが処方されている。
◇セロシオン(プロパゲルマニウムカプセル)の作用機序
プロパゲルマニウムは、IL-1,IL-2,IFN-γ(インターフェロンガンマ)産生増強等により細胞障害性T細胞、NK細胞を賦活化し、ウィルス感染細胞を破壊する。また、抗体産生能増強により、ウィルス関連抗原の排除を促す。さらにIFN-α/β産生増強により、ウィルスの増殖を抑制する。
(株式会社三和科学研究所 セロシオン説明書より)
※IL-1:マクロファージによって分泌され急性期反応を誘導する。
※IL-2:T細胞によって分泌されT細胞の増殖と分化を促進する。がんの免疫療法に用いられる。