エンリケ・グラナドス (1867-1916)
同世代のイサーク・アルベニスとともに近代スペイン民族学派の興隆を担った作曲家。
飛び切りのロマンティストで、並外れて瞳の大きな夢想家で、ことのほか善良な魂の持ち主だった彼は、自ら「アカデミア・グラナドス」という音楽学校も設立するなど、人々に敬愛されていました。代表作には、ピアノ組曲の「スペイン舞曲」、「ゴイェスカス(ゴヤの絵画風の情景)」などがあり、その響きはスペイン固有の民族色と、彼が心酔したショパン、シューマンのロマンティシズムを感じさせるもの。「ゴイェスカス」は、グラナドス自身によりオペラにも転作されましたが、そのことが悲劇を呼んでしまいます。
オペラ版の「ゴイェスカス」は、アメリカのメトロポリタン歌劇場で初演されることになり、1916年1月、グラナドスは初演に立ち会うため、大西洋を越えます。初演は大成功でしたが、その帰途、乗り込んだイギリス汽船サセックス号がドイツ潜水艦によりイギリス海峡で撃沈されます。一度は救助されるも、波間に浮き沈みする最愛の妻の姿に我を忘れて海に飛び込み、妻とともに海にのまれて還らぬ人となってしまったといわれています。
【主要作品】
〈ピアノ曲〉
12のスペイン舞曲op.37(1892-1900)
ゆるやかな舞曲
詩的な情景第1集(1904-1907)(全3曲)
詩的な情景第2集(1904-1907)(全4曲)
ロマンティックな情景(全6曲)
スペイン民謡による小品集(全6曲)
ゴイェスカス(1911)(全7曲)
演奏会用アレグロ(1904)
〈歌曲〉
トナディーリャス(全15曲)
カンシオネス・アマトリアス(1887)(全7曲)
〈オペラ〉
カルメル派のマリア
ゴイェスカス
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